2010/06/22(火)06:24
主役を 奪え! - きんつば -
日本だからこそ、和菓子。
謎多き和菓子、きんつば。
きんつばの、その名の由来は「金鍔」。
京都で生まれたきんつばの、昔の名前は「銀鍔」。
江戸に伝わり、より高級な「金鍔」に名前を変えました。
しかし、きんつばの、その形は四角。
とても刀の鍔には、似ていません、
その昔、きんつばは、鍔に似た円い形をしていました。
今でもわずかに、円いきんつばも作られています。
昔の、円いきんつばは、餡を小麦粉の生地で包んで焼いた和菓子。
今の、四角い餡に水溶きした小麦粉生地を付けて焼く、四角いきんつばではありません。
今の、四角いきんつばは、江戸時代は「みめより」と呼ばれていました。
「見た目より美味しい」が、その名の由来。
しかし、いつしか四角い「みめより」が、「きんつば」に置き換わります。
忘れられた、円いきんつば。
主役を奪った、四角いみめより。
主役の交代理由は、わかりません。
ただ、甘い和菓子の世界にも、辛い主役争いが、今も続いているのです。
【参考】 中山圭子,和菓子夢のかたち,東京書籍,1997年,167P