財津和夫歌詞鑑賞と周辺雑感その37「僕の気持ち、君の気持ち」
僕の気持ち、君の気持ち 財津和夫作詞・作曲愛し合ったあとで 僕の肩くちづけて「ねえ仲がいい?私たち」 熱いからだが囁く返事しない僕を 少し見つめてたけどからめてた指そのままで 向けた背中の白さだから君を どこか本気で 愛し始めているかも甘くときめく 胸のうしろに ちょっと悲しみがあるから君が 僕が 嘘をつく 恋がゲームだったころもう嘘だけじゃ 君を抱けない きょうのさよならも言えない一つの朝の中に ふたりいつもいれたら幸せは それだけでいい 腕の中で笑った眠った君のあどけなさに 窓の明かりが揺れるよも一度ここで 抱きしめたい 今度は君の心を(後略)-------------------------------------------------------この歌、特に好きでもなく、何気なく聞いていたけど、今回この歌詞をよく鑑賞してみて、財津さんにはちょっと珍しい歌詞かなと思った。愛し合う行為、肩にくちづける行為、そういう行為をするほど二人は仲がいいはずなんだけど、彼女は「ねえ、仲がいい?私たち」と男に聞く。行為と心と裏はら疑惑。ストレートな問いに答えられない僕に、指をからめたまま背中を向ける。彼女も僕も愛だなんだは置いといての男と女のつきあいだったのが、彼女の方の気持ちが変わってきたのだろう。彼女の気持ちにほだされて本気を意識する僕。「もう嘘だけじゃ 君を抱けない」はいいとして「きょうのさよならも言えない」ってのは上手い。からだだけじゃなく、心まで抱きしめないときょうを越せない、明日に行けない、未来がない、ということだろう。経験不足の私には、想像が十分に追いつかないけど、なんかいい。