2010/05/09(日)21:44
ホームカミングデイ
昨日は、大学のホームカミングデイなるものに参加した。
もう始まって5回目らしい。昨日は、昭和30年、35年、40年、45年、50年、60年、平成?年(昭和60年+10年)の卒業生が招待されていた。僕は昭和60年卒。同級生が沢山来るかなあと思ったが、同級生は全体の一割もいなかったようだ。圧倒的に多いのは昭和45年~30年の年輩の方々。
うちの大学では卒業生の卒論が全て図書館に保管されていて、本人はそれを閲覧することができる。僕は刑法のゼミに所属し、卒論は「誤想防衛論」。確か4年生の7月にタイトルだけ決め、真冬に書いた。当時は荻窪の木造下宿に住んでいたので、北風が屋内にもピープー入ってきて屋内も-2℃。どてらを着て、母の作ってくれた膝掛けを掛けて、足温器に足を突っ込み、頭寒足熱で取り組んだ。
先輩から油性ボールペンでは手が疲れるので、水性がいいよとアドバイスを受け、原稿用紙120枚を全部手書きした。
今回自分の卒論を読んでみて、結構理解できないところがあった。ということは、今の方が脳が退化しているということかもしれない。しかし自分に都合のいいように考えれば、卒業して25年も経って、刑法のケの字にも触れていないから致し方ないことであって、でも、25年前の僕は25年後の僕が理解できないくらいの内容を理解できていたのだから、それは手放しで誉めてやりたい。
卒論のあとがきのところをデジカメで撮って、僕の御守りにすることにした。
これからまだまだ仕事のことで座礁することもあろうかと思うが、その時々でベストを尽くせばいいのだ。現に25年前の僕も、自分で思っていた以上に頑張っていたことが今回わかった。
ホームカミングデイでは、同じサークルの部長だったI君夫妻にも会えて、いろんな想い出話や近況も聞けて楽しかった。I君の息子さんは今年開成高校に入ったって。すんごいなあ。
I君の奥さんに話したのだが、僕はI君の狭い下宿に泊めてもらって、翌朝I君から新しい歯ブラシを渡されて、「これ使えよ」と言われ使った。そのすぐ後、他には歯ブラシがなかったのだろう、僕が使った新品の歯ブラシをI君が使った!当時の僕は歯ブラシを他人と共有するなんてことは想いもよらなかったので、I君の、同級生であろうと客人としてもてなしてくれる真心にいたく感動したものだ。
あ、それから一年上のゼミもサークルも同じだったA先輩にもお会いできた。A先輩はこの大学法学研究科の教授。そして当時のゼミの先生であるF名誉教授にも思いがけずお会いできた。風貌も頭の回転の速さも25年前と全然変わらず、心強い想いをした。僕も老いてかくありたいと思った。
時間が交錯し、過去の自分や友達や先輩や恩師と現在のそれらの人達が一つになって、心が大変温まった。ノスタルジーに浸るばかりでなく、現在と未来につながる過去との再会はいいものだ。
時間が交錯して、心温かい一日を過ごすことができた。