2011/06/11(土)12:18
腸には心がある?後編
これより後編です。
放射線が体に与える悪い作用としては、まず放射線そのものが、細胞中にあるDNAの鎖を切るということ。
もう1つが、放射線の電離作用で体の水分子と反応して生じた「活性酸素」がDNAの鎖を切ったり、DNAの遺伝文字を傷つけたりする作用。
ただ、前にも書いたように人体には傷ついたDNAを修復する酵素や活性酸素をやっつけるSOD酵素などがありますので、やられっぱなしというわけではありません。
修復不可能になったミスコピーの細胞にも「アポトーシス」という、不良細胞自らが死を選ぶという機能があります。
問題が起こるのは、こうした自然治癒力が対応しきれないほど、強い放射線を浴びたり、内部被曝する時です。
しかし、もう1つ重大な鉄則が2つあります。
1、細胞分裂をさかんに行っている臓器ほど、放射線に弱い
2、細胞分裂がさかんな時期や、未熟な細胞は、すでに分裂を終えた細胞や分化して機能を持った細胞より、放射線の影響を受けやすい。
1の細胞分裂がさかんな臓器はどこかというと、造血組織、小腸、大腸、生殖細胞。
逆に影響を受けにくいのが脳、神経、筋肉、骨です。
2は誰のことでしょう?分かりますよね。
細胞分裂が一番さかんなのは、まず胎児。
次に赤ちゃんや子供たちです。
大人は、新陳代謝がそれほどさかんではないので影響がまだ低く、むしろ代謝を上げていくことが、体内被曝したものを排出する意味で重要です。
ただ、元々新陳代謝がとってもさかんな子供たちは、それ以前に受ける影響が全然違います。
だから、まず子供たちを守っていかないといけないのです。
低放射線障害が、粘膜に症状が出やすいのは細胞分裂がさかんだからかもしれません。
大人たちにとっても、細胞分裂がさかんな腸は、大事にしてあげたほうがいい臓器です。
全身の免疫の70%を腸が担っているという最近分かってきた事実もありますし、千島学説によれば、造血さえ小腸が担っているのではないかということで、この学説はセントマーガレット病院総合医療科部長の酒向猛先生や、鶴見先生も支持されています。
腸という臓器って、本当に興味深いなと、最近つくづく思います。
こないだも少し書きましたが、アメリカの神経生理学者であるマイケルDガーション博士は、脳に存在しているはずの神経伝達物質「セロトニン」が腸にも存在する事を発見し、この研究をすすめて行くうちに、体内のセロトニンの95%が腸で作られれている事をつきとめました。
博士は、脳や脊髄からの指令がなくても内在神経系を持って独自に働く事が出来る腸を「第二の脳」と定義しました。
そもそも発生学的にも、まず腸が出来てそのあと脳が出来ます。
脳は腸が進化したものではないかと言われているのです。
腸には神経がびっしり張り巡っていて、脳は関与せずに毒物が入ってきたら、下痢を起こさせて洗い流し、どんな栄養素が来たかを察知して、それにみあった消化酵素を出すように指令を出します。
脊髄を損傷しても脳死の状態になっても、腸は正常に働き続けるようです。
放射性物質や化学物質など体に有害な物質が入ってきても、腸の選択能力が高ければ、体はかなり守られるのではないかと思っています。
また、過敏性腸症候群のような、脳と腸の相関関係で起こる病気もあります。
腸の神経層は自律神経を通じて脳とも繋がっていますので、ストレスの影響もすごく受けやすいのです。
「断腸の思い」「はらわたが煮えくり返る」「腹を割って話す」「腑に落ちない」「腹黒い」などの言葉があるのも、偶然ではないと思います。
うちの母が、かつてお世話になっていた鍼の先生で森美智代さんという方がいます。
書籍も出ていますし、映画化もされたそうなので、ご存知の方も多いかと思います。
この方は「脊髄小脳変性症」という難病になり、21歳の時に余命5年、長くて10年くらいと思われていたのに、生菜食をはじめ、その後手作り青汁1杯+スピルリナ、ビタミンC、エビオスだけの食生活で、病気を完治させ、発病から24年たっても元気にすごされています。
驚くのは、病気が治っても、いまだに毎日青汁1杯の食生活だということ。
それなのに、写真で見たり母の話を聞く限り、森さんはけっこう、いやかなりふっくらとされているんですよね。
この方の腸を研究機関で調べたところ、腸内細菌が驚異的なことになっていて、食物繊維を分解してアミノ酸を作り出す腸内細菌が、普通の人の100倍いたそうです。
また、飢餓状態であらわれる尿中の「ケトン体」という物質が森さんの尿で大量に検出されました。
これだけ尿にケトン体があるということは、体内にもたくさんあるということ。
ケトン体がこんなに増えると、神経症や昏睡をおこすので普通は危険なのですが、どうやらこのケトン体を、森さんはブドウ糖の代わりにエネルギーとして使っているそうなのです。
アメリカの研究で、ブドウ糖が欠乏している時に、ケトン体が脳のエネルギー源となることが確認されています。
森さんも最初は激ヤセしたそうなんですが、要するに、牛のような腸に進化しているそうで、、、
パプアニューギニアの方も芋しか食べないのに体格がよくて元気なのは、腸内細菌が食物繊維からアミノ酸を作ってくるかららしいので、まぁそれを考えると理解は出来ますが、普通の方は真似しないほうが無難だと思います。
ただ、ここから分かることは、断食をして腸を休ませることで、免疫力が高まったり、体のダメージを修復するしたり、毒素を排出するという面があるということ。
それから、腸の持つ力は、かなり驚異的だということです。
私も、思いも新たに、腸をよくする生活を、これからも研究していきたいと決意しています。
腸の持つ免疫力、解毒力、合成力、吸収力、そして心。
腸の力を高めていきたい!!
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