私のNゲージ考古学

2023/07/17(月)21:21

玩具的HOゲージ製品あれこれ

その他(20)

これまで,当ブログでは,玩具の色合いが濃いNゲージとして,トミーOOOゲージ,ロコメート,パーコンひかり号などを紹介してきました。 そもそも,玩具と模型の違いはどこにあるのかという点は,ティンプレートの3線式Oゲージのように,古い製品ほど自明でないように思われます。 以前,​別稿​でも書きましたが,鉄道玩具・模型の動力方式としては,無動力,蒸気(ライブスチーム),ゼンマイやフリクション,電動モーターなどがあり,電動の方式としては,主に1 車体に電池を搭載し,車載のスイッチで制御するもの(プラレールなど)2 車体に電池を搭載し,外部から電波や赤外線で制御するもの(デジQトレインなど)3 レールから電気をとり,レールに流す電圧を操作することで制御するもの(鉄道模型など)があります。 古いブリキのレール玩具セットは,1か3の方式で,1の場合,レールはプラまたは金属製,3の場合は当然レールは金属製となります。「HO」と称している玩具には1と3がありますが,3であれば一般のHOゲージの線路・パワーパックが一応そのまま使えることになります(ただし,古い玩具ではフランジが極端に高いものが多く,模型用の線路で走らせる際には注意が必要)。 今回は,玩具と模型の区別にはあまりこだわらず,3の方式の「玩具として発売されたが,HOゲージの線路を一応走行可能なモデル」を中心に紹介したいと思います(特記ない場合,車体はブリキ製です)。 <國際貿易・夢の超特急> 以前,​別稿​でもご紹介した國際貿易の1000形B編成です。車体はプラ製です。 <酒井製作所・こだま号>(未入手) スケール志向でつくられており,玩具というより模型に分類すべき製品と思われます。車体はプラ製のようです。 (レイルマガジン1992年6月号より) (とれいん2017年10月号より) <野村トーイ・こだま号> 車体はショーティ化されており,先頭車側面のライトが特徴的です。下回りが大きく,腰高な感じがあります。 <野村トーイ・サンタフェトレインセット> こだま号と同様に,機関車側面と屋根上のライトが光ります。 <野村トーイ・サンタフェトレインセット> 上記の製品とは異なり,機関車にライトは付いていません。後述するトレインセットと同様に米国ではROSKO TOYから発売されたようで,西ドイツ・DISTLERの製品に酷似しています。 <野村トーイ・トレインセット> とれいん2017年11月号などでも取り上げられた製品で,重量感のある機関車が魅力的です。貨車も含め,ブリキではなくプラスチックのため,シャープな車体となっています。私の持っているバージョンは貨車2両(赤いNYC無蓋車と青い有蓋車)と小判型エンドレスが組めるレールが含まれていますが,貨車1両とカブース1両(赤いNYC無蓋車とオレンジのB&Oカブース)のバージョンや,橋桁により立体交差のある8の字エンドレスが組めるレールが含まれているバージョンもあります。 <野村トーイ・ウエスタントレインセット> こちらも車体はプラスチック製です。客車の車体が同一で下回りがボギー車となったバージョンもあるようです。 <バンダイ・こだま号>(未入手) 車体はショーティ化されており,動力車のみが他と共通のボギー車,他は2軸車となっています。 (「ビーシーHOトレーンセットのしおり」より,こだま号の走行テスト) <バンダイ・テキサストレインセット> 米国型ディーゼル機関車と貨車のセットで,米国では,赤と黒のサンタフェ?塗装で「CRAGSTAN H.O. GAUGE FREIGHT TRAIN SET」として販売されたモデルもあります。輸出メインと思われますが,「テキサストレインセット」の名称で国内販売もありました。 <バンダイ・ビーシーHOトレーンセット(流線形ディーゼル)> 米国型ディーゼル機関車と客車のセットで,JTB「鉄道玩具大全」でも取り上げられています。 <バンダイ・ビーシーHOトレーンセット(蒸気機関車)> 蒸気機関車と貨車のセットで,機関車の従台車に他製品と共通の動力が組み込まれています。 <バンダイ・レーシングトレーン> 1966年にバンダイから発売された「レーシングトレーン」は,新幹線とスロットカーを競争させる玩具です(以前,​別稿​でも紹介しました)。軌間は16.5mmで,走行はスロットカー同様,線路に集電ブラシを押し当てるようになっています。車体はプラ製です。 <浅草玩具・夢の超特急> レールは金属製ですが,車載の乾電池で走行するため,スピードコントロールはできません。 構想段階のカラーとなっている点が非常にユニークです。 <ヨネザワ・ダイヤモンドプラスチックレールシリーズ> こちらも,車載の乾電池でプラスチック製のレールを走行するため,スピードコントロールはできません。写真の新幹線試作電車や165系の他に,103系もあるようです。 なお,ヨネザワからはスピコンレール(スピードコントロールの意)という,線路から集電するHOゲージ同様のシリーズもありました(未入手)。 (ヨネザワのダイヤモンドプラスチックレールシリーズ。輸出用のサンタフェカラーもあった) (RM MODELS1996年12月号よりヨネザワのスピコンひかり号。他に103系や165系もあった) <Distler・TEE> 西ドイツ製で,ショーティ化されています。わが国でいう,こだま号のような花形特急列車として,製品化は当然だったのでしょう。

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