2020/12/03(木)10:55
第十四話 真相は (あんなに冷たいんだぜ?)
.
チュン、チュン
朝日がまぶしい清々しい朝
青蘭中学の生徒が今日も元気に登校している
生徒a
「おはよう~」
生徒b
「あっ、おはよう。」
明るく声をかけ合っている数人の生徒が歩く歩道の後方に、利江の姿があった
ちょっと笑みをこぼしながら。
利江
( 昨夜のことで、胸の突っかかりが取れたような気がするわ♪)
通勤途中のサラリーマンが、小走りで 利江 の横を抜いて行く
利江
( うふ♪ いつもなら 男の人の足音ってだけで大きく避けて振るえていたのに。。。
今日から大丈夫みたい~♪ あの二人のお陰ね♪)
ゆうすけ
「よっ、利江ちゃん、おはよう。。。」
ポン♪ と後ろから肩を叩くゆうすけ。
利江
「あら♪ ゆうすけ君、おはよう~♪ 昨夜はありがとう。。。」
二人は並んで歩き出す
ゆうすけ
「礼なんて要らないさ。」
利江
「ねぇねぇ、教えてほしいの♪」
ゆうすけ
「何を?」
利江
「昨日のこと♪ 私の前から走って逃げちゃったでしょ? あれって作戦か何かだったの?」
ゆうすけ
「あぁ、ああいうやつらは、大体仕返しにくるものなのさ。
痛い目にあったら次は人数増やしたりでね。
そんな時、敵の戦力は分散に限るのさ。戦術の基本だね♪」
利江
「こういち君 とは打ち合わせしてたの?」
ゆうすけ
「全然(^ ^||| でもあいつも同じこと考えてたからそのうち来るなって。。。
おれ一人じゃあれじゃ無理・・・。
あいつが来ることを予測した上での作戦さ。約束なんてしてないよ。」
利江
「そんなもんなんだぁ。。。」
ゆうすけ
「あぁ、やつとはそんなもんだ。 不思議と言葉が要らないことが多いんでな。」
利江
「ふう~ん」
ゆうすけ
「そぅそぅ、それよりもさ、」
利江
「なぁに?」
ゆうすけ
「例の おちびちゃん の事なんだけど・・・・」
利江
「あぁ、昔助けてくれた ちびちゃん ね。。。」
ゆうすけ
「うん、でさぁ、利江ちゃんがそいつと こういち が似てたかもって・・・・」
利江
「よく分からないけど、そんな気がするのよ。。。」
ゆうすけ
「それなんだけどもさぁ、昨夜帰ってから考えてみたんだよ・・・・」
利江
「へぇ~、ゆうすけ君 もそう思うわけ?」
ゆうすけ
「ところがだ、
こういち とおれってガキのころからいつも一緒にいたんだよ、物心付く前から・・・・
確かに行動とか、おっそろしくつえぇってとこなんざおれも同感なんだけどさぁ・・・・」
じっと ゆうすけ の話しに聞き入る 利江
ゆうすけ
「困ったことに、おれ達、そのくらいの年齢の時ってここいらに住んでなかったんだよ。」
利江
「なんですってっ!」
ゆうすけ
「つまり、別人ってことさ。」
落胆し、黙り込む利江
ゆうすけ
「ナイト様、約束した おちびさん は別にいるってことになる・・・・・」
半べそぎみになる利江
利江
「約束を思い出して・・・・やっと、やっと逢えたと思ったのに・・・・・ ;;グスン」
ゆうすけ
「その・・・夢はまだ終わっちゃいないよ。 探せばいいんだよ、その別人を。。。」
再び黙り込む 利江 しばらく沈黙が続く・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
利江
「・・・私ね、ここ数日の二人を見ててね、そのナイト様が
こういち君 ならいいな
きっと こういち君 なんだわ
うん、こういち君 よね。。。
って、自分に言い聞かせたの。だから・・・・
だから・・・・・」
しばらく考えた ゆうすけ
ゆうすけ
「同一人物であってほしいなっていう気持ちが心の中で働いちゃうんでしょ。」
利江
「うん・・・・」
ゆうすけ
「でも別人・・・・また見つけないとね。」 腕組みをして考える ゆうすけ
( おれが考えても、どう見てもあいつ意外に考えらんねぇ。
あんな化け物があっちこっちにごろごろと居るとは思えない。
ところがあいつではないとすると・・・・・
その別人ってのが、やけに気になるな・・・・・
ゆうすけ
「その おちびちゃん、おれも探すの協力するよ♪」
利江
「ほんとに~♪」
ゆうすけ
「あぁ、いいよ♪」
利江
「ありがとう。。。」
ゆうすけ
「それとは別に あいつ も気になる・・・・のか?」
利江
「うん。。。」
ゆうすけ
「あんなに冷たいんだぜ? おれじゃ性格変えらんないけどな。。。」
腕組みをしてから、
ゆうすけ
「但し、1つ約束してくれないかなぁ。」
利江
「なぁに?」
ゆうすけ
「おれもその おちびさん が気になってしょうがねぇ。
あんな化け物が二人も居たんじゃ世の中変わっちまうんでね。 そこでだ、」
利江
「うん、」
ゆうすけ
「おれはおれで、その おちびちゃん の正体を見つけてみようと思うんだ。
お願いってのは、二人の思惑一致の共同戦線ってこと。」
利江
「いいわよ♪」
ゆうすけ
「おけ。 で、もう1つ。」
利江
「1つって言ったじゃない・・・・」
ゆうすけ
「関係してるのさ・・・・確認・・・・もあって。」
利江
「・・・・・?」
ゆうすけ
「もし・・・・もしもだよ、
その別の おちびちゃん が見つかってだ、あの日の約束を忘れていたら・・・・
利江ちゃんはどうするの?」
またまた沈黙する 利江
そこへ
Hちゃん
「利江ちゃん、おはよっ♪」
Iちゃん
「おっはぁ~♪」
ふと我に返り、二人を見る 利江
利江
「ん? あら、久子ちゃんと相ちゃん。 おはよう~」
久子ちゃん (Hちゃん改め)
「お二人、仲がよさそうね♪」
相ちゃん (Iちゃん改め)
「そちらさんのお名前は?」
利江
「あぁ、ゆうすけ君よ。」
久子ちゃん
「ゆうすけ君ね。了解~♪」
相ちゃん
「朝から熱いのね、ゆうすけ君、利江をよろしくね~☆」
久子ちゃん
「私たちはおじゃまだから先に行くわね~♪」
相ちゃん
「応援してるわよ♪」
小走りに先に行く二人
ゆうすけ
「お、おぃ、そんなんじゃ・・・・・」
利江
「あっちゃ~、昨夜一緒のところでも見られたのかな。それに今日もだし。。。」
ゆうすけ
「や、やばいなぁ・・・・」
利江
「あら、私はいいわ♪ そう思いたい人達にはそれで。かえって好都合だわ。
悪い虫が付くの追い払ってね♪
それに おちびちゃん 探すのにも行動が一緒になるんだから♪」
ゆうすけ
「うはは・・・・そりゃまぁ・・・・そうだが・・・・」
利江
「はぃ、じゃ~決まり♪」
ゆうすけ
「ぃゃ、決まりって、あ、あのさぁ・・・・」
なんか妙に明るいんだよなぁ・・・・(^ ^;;;
何か完全にふっ切れたように、言い終わると爽やかに走り出す 利江
利江
「ほぉ~ら、そんなにのんびりと歩いてると、遅刻するぞ~~♪」
振り向いて口元に手を添えて呼びかける 利江、
その際のふわっとなびく髪がキラキラと輝いていた。
ゆうすけ
「お、おぉ~ぃ・・・・・」 あちゃ~~ ^ ^;
-つづく-
第15話へ
(おまえらに言われたくないわい)
※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。
また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。