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■ ドラマ 永久の彼方へ

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2007年08月22日
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カテゴリ:第三章 188 ~ 240 話
.
 二十三房に場を移した一同。

 中央を広く空け、囲むように修行僧らが囲む。
 館長と師範は上座に位置する場所に着座し、そして向かい合わせの反対側の位置にザウバー
 があぐらを組んで座っている。
 金と赤の羽織物を着た小さい坊さんは、館長の斜め後ろにちょこんと座っている。

 その中央では、まずは付添いの戦闘員とスンチャが向かい合っていた。

二十三房長
  「これから他流試合の[試武]をとり行う。
   くれぐれも相手に危害を加えない程度にお願い申し上げる。」

戦闘員
  ( ふん、こいつらの腕前は知れているとこだ。
    あっと言う間に沈めてやるよ・・・ )
スンチャ
  ( 再び異人相手か。 ナンチャンがこっそりと教えてくれて助かったぜ。
    その後の修行の成果を試すチャンスだ・・・・。 )

 隣の房との間にある垣根の、向こう側から二十三房の様子を伺う二人の姿も。

ゆうすけ
  ( しっかりと頼むぜ、スンチャ。 )
利江
  ( ここでザウバーが戦う姿が見れるなんて・・・・ )

 この二人の元へ、スウランが歩みよってきた。 小声で、

スウラン
  「スウラン、ゆうすけの側で見る。」
ゆうすけ
  「スウランか。 あの真ん中に立っているやつ。 ありゃレベル-1だぜ。」
スウラン
  「異人ってことか。」
ゆうすけ
  「たぶんな。 その後ろに座っているやつが連れてきたからだ。
   その座っているやつ。 あいつがザウバーと言ってレベルー3なのさ。」
スウラン
  「あいつはレベル-3か・・・」


ザウバー
  「堅い前置きはいいから早く始めてくれっ!
   長くは掛からねぇからよ。」

二十三房長
  「うむむ・・・・

   では、始めっ! 」

 スンチャは始まりの掛け声と供に、拳をギュっと握る。
 そして六合拳の拳套の動きを始めた。

    ハィ ビュっ  ハイハイ ザッザッ、 ハァ~~

 戦闘員は慌てて飛び掛らず、スンチャの拳套の動きをしっかりと見定めている。

 その力強い拳套、一般の修行僧を卒業し更に こういちにレベル-1対策を指導して
 もらった第一号者らしく とても力強く、見る者を圧倒させる。

戦闘員
  ( こ、こいつの六合拳、只者ではない・・・くっ・・・ )

     ザッ、ビュっビュっ ハイっ さっ

 手套を前にかざして動きを止めたスンチャ、キツく戦闘員をにらみつける。

戦闘員
  ( このぉ・・・・ )

 戦闘員、スンチャの力強い拳套を目の当たりにしても気落ちせず、
 スペックー1能力全開で襲いかかったっ!

 『 オーーーリャーーーッ! 』
       シュっ さっ、 シュシュっ ガシっさっ

 全開のスペックー1、その素早い動作に 周りを囲む見学の修行僧から驚きの
 声が漏れていた。

 『すげー』 『なんて速さだ・・・・』

 ところが、
 その動作に機敏に反応し、一つ一つを丁寧に避けるスンチャの姿があった。

スンチャ
  ( ひとつ、ふたつみっつ・・・・フンっ よっつ・・・・ )

 紙一重で交わし そしてまた交わし、時折受け流すことも行っていた。
 そして、

スンチャ
  ( 今だっ! )
           ハイヤーっ!  ズカっ★バイバイ

戦闘員
  「うぉっ」

 勢いよく伸ばした掌が、戦闘員の胸にヒットっ!
 戦闘員は後方に転げてしまう。

 打ち抜いた掌の姿勢のまま、転げた戦闘員を見据えるスンチャ。

 『おぉぉ』
 修行僧から、先程とは違った驚きの声が洩れる。

スウラン
  「スンチャ、カッコいい。」
利江
  「すごいわっ♪」

スンチャ
  「うん、動きが良く見えるぜ。 練習と変わらない♪」

 手ごたえを掴んだスンチャ。 それとは対象的なのが戦闘員。
 胸に手を当ててのっそりと立ち上がった。

戦闘員
  「こ、こいつ早え・・・く、くそ・・・・」

 そして、再び立ち向かうも、
      シュシュっ ガシっさっ  シュっ さっ、

スンチャ
  ( ひとつふたつ、フン!みっつ・・・・よっつ・・・・ )
スウラン
  ( ひとつ、ふたつ、  みっつ・・・・よっつ・・・・ )

スンチャ
  「ハイーーっ!
               ズカっバイバイ

戦闘員
  「ぐわっ」

 勢いよく伸ばした掌が、戦闘員の胸に再びヒットっ!
 戦闘員は再度後方に転げてしまう。

 打ち抜いた掌の姿勢のまま、またまた転げた戦闘員を見据えるスンチャ。

 『おぉぉ』

 かすかにニヤリとスンチャの唇が動いた。

 なんとスウラン、その場に立ち上がり戦闘員の動きに合わせて 避け方、
 受け方を自分なりにイメージし数えながら小さい動作で動いていたのだった。

ゆうすけ
  「見ているだけでは物足りないみたいだな ^ ^; 」
スウラン
  「折角の本物。 見てるだけ、もったいない。
   ほらあそこ。。。同じ考えね。。。」

 スウランの指差す先には、なんとクンナとチュウランが 右手をおでこの少し上、
 腰は低く右足は伸ばしており 左足は膝をまげて相手側のそばに、そして左手は掌
 の状態ぱー で前に打ち抜いてスンチャと同じポーズで止まっているではないか!

利江
  「みなさん勉強熱心なのね。。。」
ゆうすけ
  「そこまで避け方と受け流し、そして打ち込むタイミングが同じになるもんか?」

スウラン
  「基本避ける。 間に合わない受け流す。 スキある打つ。
   同じはまぐれ、でも似た動きなる多い。」

ゆうすけ
  「ってことは、チーランも・・・・・」

 辺りをキョロキョロと探すゆうすけ。
 ふと後ろの気配を感じ、振り向くと・・・・・

利江
  「やだ、チーランさんまで。。。」

 隣のガラ空きの房の真ん中で・・・・
 あはは、これまた同じポーズぱー で止まっていたチーランであった。



第205話 調査隊 8 へ
(確かに人骨に見えるな)





  ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。

    また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。





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最終更新日  2020年09月18日 16時58分35秒
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