2020/09/04(金)13:43
第262話 捉われた利江 -11 (バカなやつらだ)
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[神霊巫女]マーシャ
「黄龍道(おうりゅうどう)様。」
[竹林総元帥]黄龍道(おうりゅうどう)元帥
「どうしたのだ? マーシャ。」
黄龍道(おうりゅうどう)の個室に利江を引き連れて訪問したマーシャ。
[神霊巫女]マーシャ
「はい、この次世代の[神霊巫女]利江殿ですが、下界において今しがたこの空間に潜入
した曲者達と既に接触をしており、彼らの情報をいくつか持ち合わせているようにござ
います。」
[近衛軍副長]トンコウ
「ほう、それは心強い。」
[竹林総元帥]黄龍道(おうりゅうどう)元帥
「今しがた、軍長の潜在能力を引き上げたところだ。
過去、ここまでの能力を必要としたことがなかったのでな、これからのやつらの戦いぶ
りが楽しみだ。
してその情報とやら、念のため聞かせてもらおうか。」
[神霊巫女]利江
「 ・・・・ 」
[近衛軍副長]トンコウ
「これ、どうしたのだ・・・?」
[神霊巫女]利江
「 ・・・・ 」
[近衛軍副長]トンコウ
「・・・・マーシャ殿・・・・」
[神霊巫女]マーシャ
「利江殿はまだお疲れのご様子。 少し休まれてからでも・・・・。
念のためこの事をお耳にと。」
[竹林総元帥]黄龍道(おうりゅうどう)元帥
「まぁ良い。 慌てることもあるまい。
それに軍長達の能力が勝れば、その情報とやらも必要無くなるかもしれんしな。」
[神霊巫女]マーシャ
「は、はい。」
その時、
近衛兵
「た、大変でございますっ!」
[近衛軍副長]トンコウ
「何事だ!」
近衛兵
「は、[神霊巫女]殿の部屋の監視兵が何物かに襲われ、部屋にあった[探神霊石]が
持ち出されたようにございますっ!」
[神霊巫女]マーシャ
「なんだとっ!」
[近衛軍副長]トンコウ
「何をしておるっ! それは一大事、直ぐに盗人をひっ捕らえろっ!」
近衛兵
「はっ!」
[近衛軍副長]トンコウ
「まだ内部におる。 一の隊、出入口を塞げっ! 二の隊、内部をくまなく探せっ!」
一の近衛兵隊長
「はっ!」
二の近衛兵隊長
「はっ!」
[竹林総元帥]黄龍道(おうりゅうどう)元帥
「騒々しいこと。 ここにもやつらの手の者が忍び込んだ・・・ということか。
やつらの狙いは[探神霊石]か。 バカなやつらだ。」
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チョウ・ギョッキ
「やっと、やっとみつけたぜ・・・・。」
なんと[探神霊石]を盗んだのは、チョウ・ギョッキだった。
大事そうに胸に抱えて通路を走るチョウ・ギョッキ。 足早に向かうその先の3方に分か
れる分岐点には、テイ・チョンミンとそしてグ・リョクコウ他2名が待機していた。
テイ・チョンミン
「チョウが帰ってきたっ!」
グ・リョクコウ
「やつらも来ましたぞっ!」
一方の廊下のその奥から、数人の近衛兵がこちらに駆けてくる姿が見えた。
テイ・チョンミン
「もう一方の通路をしっかりと確保しなきゃっ!」
残りの通路に走りだそうとしたチョンミン。
グ・リョクコウ
「チョンミン、得策なのは今こちらに来る連中を撃破することです。」
慌てて踏み止まったチョンミン。
テイ・チョンミン
「な、なんでだっ?」
グ・リョクコウ
「やつらは手分けして通路を塞ぎにくるはず。一個辺りの人数は少ない上、一つの移動部隊
を差し向けたところには複数は送り込んでないとみますじゃ。」
テイ・チョンミン
「つまり、やつらの後ろは手薄ってことだな!」
突然、方向転換をして、今まさにこちらに向かってくる近衛兵達に向かって走り出したっ!
テイ・チョンミン
「もうコソコソとしないで済む。 思いっきり行かせてもらうっ!」
近衛兵
「居たぞっっ!」
チョンミンの姿を見るや、腰の剣を次々と抜いてこちらに向かってくる近衛兵。
シャキン、シャキン、シャキン
テイ・チョンミン
「おまえらのノロマな動きなんざ目じゃないんだよっ! テェェェヤーー! 」
チョンミンの後に続く数人の戦闘員達も目を輝かせて立ち向かったっ!
『おぉぉぉっーーりゃっ!』
バシっ ドスドス、ズコッズコっ
『うわぁぁぁ』 『うぉ・・・』
ものの見事に近衛兵を倒していく戦闘員達。
テイ・チョンミン
「よしっ!」
チョンミン達が切り開いた通路に駆け込んでくるチョウ・ギョッキとグ・リョクコウ。
グ・リョクコウは、ギョッキの後方を走り、後方支援の体制のようだ。
リョクコウの思惑通り、最初の近衛兵に続く隊はまだ現れていなかった。
そのままの勢いで突破した通路を進む数人の戦闘員達。
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(凄いぜこいつは)
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