カテゴリ:第三章 241 ~ 300 話
バルコニーのような広場に、ようやく到着したスンチャ、チーラン、スウラン、利江の四人と 一匹。 スンチャ 「やつらは降りられたようだな。」 チーラン 「やっぱ異人だけある。 足、速い・・・・」 スウラン 「我らも早いとこここから脱出する。」 利江 「チュウランさんは・・・・?」 チーラン 「チュウラン、大丈夫。」 利江 「でも・・・・」 チーラン 「チュウランの意志、利江救う。 だから早く逃げる。」 スウラン 「チュウラン、一番強い。 我らの中で一番強い。 大丈夫。」 利江 「わ、分ったわ・・・・。」 渋々とチーランが駆け寄った隅に架かっているはしごの下へ歩み寄る利江。 チーラン 「あっ!」 スンチャ 「どうしたっ!」 岩の上からハシゴの下を見下ろしてチーランが叫んだ。 チーラン 「二人・・・・死んでる・・・・。」 スンチャ 「なんだって?」 チーランの横から同様に下を見下ろしたスンチャ。 スンチャ 「落ちて死んだだけじゃない、戦闘になったんだ・・・・。 矢が刺さっている・・・・。」 矢と聞いて、上空を見るチーラン。 そして森を見るスウラン。 スンチャ 「どうしたんだ?」 チーラン 「これもこういちからの報告にあったこと。」 スンチャ 「そ、そっか・・・・」 スウラン 「それより早く降りるっ!」 スンチャ 「あ、あぁ・・・。 ・・・ あっ・・・・・」 チーラン 「どうした?」 スンチャ 「タロは・・・・どうすんだ?」 利江 「タロちゃんはハシゴは降りられないわよね・・・。 なら。。。男性であるスンチャが背負って降りてあげて♪」 スンチャ 「お、おれかよ・・・・!! なんか嫌われているんだけど・・・・」 利江 「大丈夫よね、タロちゃん♪」 タロ 「Coo。。。」 スンチャ 「なんか気が進まないなぁ・・・・」 利江 「タロ、スンチャの背中に抱きつきなさい♪」 タロ 「Coo♪」 利江の言うことが分ったらしく、タロは走りこんでからスンチャの背中目掛けてジャンプした♪ スンチャ 「うわっ!」 爪を立てて、スンチャの背中に抱きつくタロ。 スンチャ 「 ギャャャャャャャャ! 」 まさに悲鳴。 チーラン 「男、ガマンする。」 スウラン 「スンチャがんばれ。」 スンチャ 「なんか、すっげーー重いんだけど・・・・」 ヘッピリ腰でハシゴの元にフラフラとたどり着き、そしてみんなで降り始めた。 チーラン 「利江、下見るなよ。」 利江 「えぇ、大丈夫。」 スンチャ 「お、重めーーーっ!」 スウラン 「スンチャ、しっかり。」 そのときタロが喜んでか、ありがとうの意思表示なのか、スンチャの首すじを後ろからペロッと ひと舐めた。 スンチャ 「ギャャャャャャャャ!」 またまた悲鳴。 と同時にスンチャは体制を崩し、片手で宙ブラりんの状態となる。 その反動で、タロがスンチャ背中からズリ落ちたっ! 下を降りていたスウランがスンチャの悲鳴を聞いて上を見上げて、 スウラン 「タロっ!」 同様に更に下を降りていた利江、スーランもスンチャを見上げたっ! 利江 「あぁっ!」 チーラン 「っと・・・・」 『 GAUUU… 』 パクっ 瞬時にスンチャのハシゴを掴んでいないもう一方のぶら下がる腕の袖に噛み付いたタロ。 彡ぶら~ん彡 スウラン 「ふぅ・・・、間一髪・・・・。」 スンチャ 「け、けど重い・・・・。 この姿勢がいつまでも持たない・・・・。」 汗だくのスンチャ、ハシゴを握る右手がじわり、じわりと緩む。 利江 「タロちゃん、足をハシゴに乗せてっ!」 しかしタロは、スンチャの袖を咥えているお陰で上を見上げた状態、ハシゴの位置が分らない。 足先だけが引っかかる何かを探しているように見えた。 彡ヒョコ、彡ヒョコ。。。 スンチャが苦しい姿勢から、タロがぶら下がる片手をハシゴのそばに移動する。 さまようタロの足がハシゴに触れ、片足ずつハシゴに乗せた。 スンチャ 「はぁ、楽になった。。。」 チーラン 「大丈夫か?」 スンチャ 「なんとか。」 スウラン 「では降りる。」 再び背中にタロを担いだスンチャ、他3人と一匹は引き続きハシゴを降りていったのであった。 (そう言やぁそうだな) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月04日 14時06分27秒
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