■ ドラマ 永久の彼方へ

2020/09/07(月)13:56

第4-381話 見えぬ企み -8 (寸止めしないで打ち込んじゃってもいいよ)

第四章 4-364 ~ 420 話(57)

. 椿 勇姿   「さ、魚の[気]をか・・・?  そ、そんなこと、出来るものなのか・・・・。」 こういち   「慣れれば解ってくるよ。」  そこへ・・・  『わっせ、わっせ、わっせ・・・・』  昨日お邪魔させてもらった大少林寺拳法クラブ員達が、こういちと椿の後ろをランニングし  ながら通り過ぎてった。 椿 勇姿   「お、彼らだ。 朝練かぁ。。。」 こういち   「もうお昼ですよ椿さん、合流しましょう。」 椿 勇姿   「お、おぉ。。。」 ~ 綿来師範   「ほぐれたら、いつものように蹲踞から型打ちを始める。 整列してくれ。」              『おすっ』 綿来師範   「い~か~? では始めっ! いちっ!」              『せやっ』   「にいっ!」              『せやっ』   「さんっ!」              『せや、せやっ』  昨日と同じ駐車場まで来ると柔軟体操を行い、整列後足腰をぐっと踏ん張り固定させ、掛け声と  共に型通りに拳を突き出し、続いてもう一方の拳を突き出す。 クラブ…というだけあって、  本場大少林寺とはちょっと違うようにも見える。   「しちっ!」              『せやっ』   「はちっ!」              『せや、せやっ』 綿来師範   「よぉ~し、止め!」  そこへ、 こういち   「お~い♪」  ( ランニングしながら手を振り近づいてくる。 ) 大少林寺拳法クラブ員 石釘君(高校3年生リーダー)   「おっ、昨日の少年だ。」 綿来師範   「よぉ、キミ達。。。」 こういち   「朝練だね、また一緒にやってもいい~?」 綿来師範   「あぁ、歓迎するよ。」 椿 勇姿   「すいません、御一緒させて頂きます。」  スウェットの上下ウエアという服装の二人に声をかける綿来師範。 綿来師範   「椿君と南君だったね。 この時間から合流とは。 しっかりがんばれよ。    よぉ~し、では次、組み手行くぞ。 みんなは回りで見ていてくれ。  石釘君、前へ。」 大少林寺拳法クラブ員 石釘君(高校3年生リーダー)   「おすっ」  綿来師範の前に向き合う石釘君。 それを囲むようにクラブ員たちは回りにバラけて座った。  こういちと椿もクラブ員に混ざり、同様に体育座りで中央の二人を見物する。  綿来師範と石釘君は蹲踞の構えで精神統一。 綿来師範   「1,2,3,4とリズム良くだ。 まず私から。」  体を半身にして立ち、両手の拳をやや前後に配した後、 綿来師範   「テヤー! はいっ、 はいはいっ  ハイヤー!」  正拳のように正面から右手拳を石釘君の腹目掛けて打ち込む師範に、それをやや半身にして右  手套で払う石釘君。 それを左肘を曲げたその肘で石釘君の胸わきを寸止めで打ち込み、続け  て右手套を腹正面に寸止めで打ち込み、最後は右足のハイキックを顔面に寸止めという連続打  ち込みを見せた綿来師範。  それを見ていた椿、座りながら手だけをシャドーでゆっくりと動かして確認していた。 綿来師範   「次は石釘君が打ち込みたまえ。」 大少林寺拳法クラブ員 石釘君(高校3年生リーダー)   「おすっ」  数回、シャドーで確認した後、 大少林寺拳法クラブ員 石釘君(高校3年生リーダー)   「いきます。 はぁーー、  はいっ、 はいはいっ  たぁー!」 綿来師範   「もう一度。」 大少林寺拳法クラブ員 石釘君(高校3年生リーダー)   「はぁーー、  はいっ、 はいはいっ  たぁー!」 綿来師範   「よし。 ではみんなでやってみよう。    最初は相手を付けずに一人で形だけとってみよう。」  『おす。』  全員がうなずき、立ち上がる。 綿来師範   「まずはゆっくりといこう。 半身に構えて・・・ いくぞ。       いち、、、、にっ、、、、さん、、、、しっ!」  『たー!』 綿来師範   「もう一度。 いくぞ。       いち、、、、にっ、、、、さん、、、、しっ!」  『たー!』 綿来師範   「少しスピードを上げよう。。       いち、、にっ、、さん、、しっ!」  『たー!』 綿来師範   「いち、、にっ、、さん、、しっ!」  『たー!』  大少林拳は始めての椿も、見よう見まねでそつなくこなしている。 一方のこういちは、笑顔  で周りと同じペースで身体を動かしている。 綿来師範   「そろそろ慣れてきたから、相手を立たせて行ってみよう。 二人一組になって。」  『おす。』  周りをキョロキョロと見て、次々とペアを作って向き合い始める。 綿来師範   「受け手の人は、最初は半身になって避ける。    そして繰り出された拳を右手で払う感じ・・・こうだ。 ( ゆっくりとやってみせる )    いいか、ゆっくりとやってみよう。 半身に構えて・・・ いくぞ。       いち、、、、にっ、、、、さん、、、、しっ!」  『たー!』 こういち   「右拳を受けるのは、正面にいるままか・・・ 初心者向けとはいえ、         体を左に交わしながらせめて左手で弾くが少ない動きで出来るから          初心者にはいいのに・・・。ガラ空きの溝打ちが次の動き。膝蹴りでも         いける。          すると次に相手からは時計回りに右の肘、または左回りで左の肘か         裏拳が飛んで来るんだぞっと。。   右手で受け流すのなら次はレバーを叩ける。上級者にはそこをフェイントでテンプル    にも。膝の裏側への蹴りも有効だな。。    こちらも反撃が来るなら右の肘、こちらはレバーの後逆回りで左肘。相手の肘打ちの    場所にこちらの体が無く顔へカウンターとなる。顔が来てなければそのまま裏拳。    これで顔に届くんだ。。」ブツブツ 椿 勇姿   「まったく・・・    一つの受け方で良くそれだけの視野を描けるものだ。    関心するよ・・・。」  少しぎこちなさもあるが、皆それなりに様になっている。 こういちは椿とペアを組み、受け手  役になって行っていた。 綿来師範   「もう一度。 いくぞ。       いち、、、、にっ、、、、さん、、、、しっ!」  『たー!』 綿来師範   「少しスピードを上げよう。。       いち、、にっ、、さん、、しっ!」  『たー!』 こういち   「普通は・・・の動きさ。    型の逆を取るのも上級者には大事だけど初心者の基本ではさ、ちょっと物言いで。    でもさすが椿さん、初めてでも型がきれいに決まってるね。」 椿 勇姿   「この動きなら別段どぉってことないさ。 それにリツコさんやスンチャ君のさばきを    この目で見てるし。 裏の応用でいけるよ。」 こういち   「まぁね。 どう? 寸止めしないで打ち込んじゃってもいいよ♪」  ゆっくりと掛け声に合わせてシャドーで打ち込みながら、 椿 勇姿   「あはは ^ ^;;; でも周りに合わせなければ。」 こういち   「だね。   ん !?    ・・・椿さん、おいらのことをナンちゃんって呼んでもらっていい?」 椿 勇姿   「そっか、その呼び方に慣れておかないとな♪」 こういち   「えっとね、慣れてる時間・・・ないみたい・・・」 椿 勇姿   「なにっ!」                                 -つづく- 第4-382話 全拳武道団 へ  (もし売ったらいくらで買ってくれるの~?)   ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。     また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。

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