カテゴリ:第四章 4-364 ~ 420 話
こういち 「えっとね、慣れてる時間ない・・・みたい・・・」 椿 勇姿 「なにっ! ・・・すると・・・」 そこへ、 ??? 「ほほぅ~。 拳法のお勉強とは嬉しいねぇ~。」 その声に振り向く綿来師範。 続いて石釘君以下、クラブの全員がその声の主の方に次々と顔を向けた。 綿来師範 「な、なにか御用ですか・・・?」 師範が声を掛けた相手は5人の集団で、全員が黒い拳法着を着用し、胸には金色と赤の刺繍で 卍(マンジ)が縫い付けられていた。 その集団の先頭に立つ、大柄で筋肉質で歳は30近く。やや肩口までの長髪の男が腕組みをしな がら、 ??? 「そんな練習では、身にならんだろうと思ってな。 どうだ、我々が稽古をつけてやろうか。 我が [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊と呼ばれるこの 大木竜平様がよ。」 綿来師範 「なんだとっ! 全拳武道団 …」 大少林寺拳法クラブ員 石釘君(高校3年生リーダー) 「東北の荒熊 の大木といえば ・・・ 」 [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 / ???(改め) 「ほぅ、坊主、俺のことを知っていると見えるな。」 大少林寺拳法クラブ員 石釘君(高校3年生リーダー) 「い、いえ・・・」 (うつむきながら目線を外す。) 石釘君の対応を察知し、クラブのみんなが恐々と大木を見つめ始めた。 綿来師範 「稽古付けはお断りします。 大会とかに出るような集団ではなく、拳法に触れて楽しむだけのクラブですから。」 [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「ほぅ~、この俺様の申し出を断るだと・・・?」 綿来師範 「えぇ、この子たちでは、全拳武道団の実力には遠く及ばず。 かえって御迷惑をお掛けすることになりますから。」 [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「きさまが師範の綿来(わたのき)か。 おまえが俺様の相手をすればいい。 それなら文句はあるまい。 それとも、このガキ共をうちの連中に相手させようか?」 椿 勇姿 「まてっ! 師範とやる前に他流ではあるが、この私がお相手仕ろう。」 ナンちゃん / こういち(改め) ( 椿さん、こいつスペック-1だよ・・・。 ) 小声でつぶやく。 椿 勇姿 ( なんだとっ! ) 驚く椿っ! そしてその顔が見る見ると険しい表情に変わり始めた! 綿来師範 「まってくれ。 この私だけで済むのであれば、私がお相手をしよう。」 ナンちゃん ( この師範の実力では、命が危ないな・・・ ん? ) ちょっと後方を目線だけで気にしてから、 ナンちゃん 「ねぇねぇ、大木のおじちゃん。 この綿来師範を倒したら、おいら達にも手を出すつもり でしょ。」 大木に近づきながら話しをするナンちゃん。 [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「なんだと小僧。」 大少林寺拳法クラブ員 石釘君(高校3年生リーダー) 「よ、よせ。殺されるぞ!」 ナンちゃん 「だって顔に書いてあるもの。 "こいつら皆殺しだぜ~~" ってさ。」 [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「面白いガキだ、てめぇ、この俺様にケンカ売ろうってのか?」 ナンちゃん 「別に売ってないけど、もし売ったらいくらで買ってくれるの~?」 [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「なめたガキめっ! ハッ!」 バシっ! うわ~~彡 ざっ 東北の荒熊 大木竜平の手の平が、目の前まで来たナンちゃんの胸に当たり、飛ばされてしまう。 綿来師範 「南君っ!」 打ち込まれ飛ばされたナンちゃんを、素早く移動して抱きかかえてキャッチした椿。 大木は打ち込んだ手を伸ばしたまま顔は体の向く方に、そして逆の手はくの字に曲げて、 頭の上にある姿で止まったままだ。 [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「どうだ、もうしゃべることもできまい。」 ナンちゃん 「椿さん、あ、ありがとう。 い、痛いよ・・・な、なにするんだよ・・・。」 武道団員 「動けるだと・・・?」 「なんてガキだ・・・」 ・・・ざわざわざわ [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「なんだと !? てめぇ、まだ口利けるのか。 ふっ、その素早い兄ちゃんに救わ れたか・・・。」 ナンちゃん 「大木のおじちゃん。 師範よりも、もっと楽しい稽古相手が来たみたいだよ。」 [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「なに・・・?」 と、そこへ。。。 チーラン 「おーーい、こう 彡ポカ☆ (いち・・・)」 スウラン 「ナンちゃんよ、ナンちゃん・・・。」 チーラン 「そだ、ナンちゃーーーーーん♪ 椿ーーーーー♪」 笑顔で手を振り、こちらに駆けてくる二人の姿が。 椿 勇姿 「チーラン、それにスウラン。」 ナンちゃんと椿に駆け寄り、 チーラン 「タクシーで来た♪」 スウラン 「民宿で聞いた。 ナンちゃん達ここだって♪」 二人は、モノ本の拳法着を着用していた。 [ 全拳武道団 ] 東北の荒熊 大木竜平 「稽古相手だと・・・? この小娘どもがか・・・?」 チーラン 「ナンちゃん、そこで何してる・・・?」 椿 勇姿 「彼に・・・突き飛ばされて・・・。」 ナンちゃん 「つ、椿さんに・・・キャッチされたって・・・訳け・・・。」 スウラン ( 弱小ナンちゃんモード・・・だから・・・か。 ) チーラン 「すると・・・ (顔を背中後方にいる大木にやや傾けて、) ナンちゃんになにするっ! 乱暴するなら、チーラン、相手するよ。」 -つづく- (あの二人なら大丈夫) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月08日 10時42分39秒
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