カテゴリ:第四章 4-421 ~ 480 話
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チーラン 「何か下が騒がしいが・・・・」 [空軍兵]淘汰(とうた) 「もしかすると、この生物を運び込むところをヤツラの仲間に見られていたのかもしれませ ん。」 ゆうすけ 「くそっ・・・ チーラン、その廊下からの進入を防いでっ! タロ、反対側の通路を見張っててっ! ( 指を指しながら )」 チーランが慌てて廊下に飛び出し通路を塞いで身構える。 タロも後を追い距離を置いてチー ランと背中合わせに立ち止まり、反対からの進入に備えた! 山下巡査は、何をしてよいのやら分らず、ただオドオドしているだけだった。 ゆうすけ 「山下巡査はこの凍らせた生物を見張ってて下さい!」 警察官 山下 「は、はい、分りました・・・。」 廊下に居たチーランが動いたっ! チーラン 「来るっ!」 山下巡査とその横に居るゆうすけに緊張が走る! 『ハーーイ! ハイハイ、 ハイハイハイっ!』 チーランが蹴り! 回転しての肘打ち! 手の甲で受けて膝を曲げて受けてと、一人で舞い 宴武を踊っている姿に写る。 時折、 ガスっ 『うっ!』 打ち込まれてもいる様子。 続いてタロが、 反対側の廊下を凍らせたっ! 見ると、三体の生物が向かってきた姿のまま凍らされていたっ! 一体は空中をジャンプしており、凍りついたまま落下していた。 ゴスン彡 チーラン 「か、数が多いっ!」 ゴスっ 「くっ・・・」 「うぐっ!」 ゆうすけ 「く、くそう・・・・」 タロがチーラン側を振り向き、倒れたチーランを超えるようにジャンプっ! そして、前足を ひっかく動作に続き、 通路に四体、階段下から五体の生物が凍りついた。 だが、タロが守っていた通路から、氷を踏みつけて向かってくるらしく、チーランが今度はそ ちら側に走りこむっ! ゆうすけ 「タロはセーブしながら凍らせているか。」 [空軍兵]淘汰(とうた) 「それっ」 淘汰(とうた)がチーランの前方にバケツで水を撒いた! バシャーン チーラン 「ハイハイ、 ハイ、ハーーーイっ!」 バシっバシっ ズゴ ゴスーン やや見えるようになり、チーランも懸命な守備っぷりを見せる。 だが、数が違い過ぎる上、 廊下の壁を蹴っての空中も使って進撃を試みる見えない生物達に、さすがに手が回らない・・・。 『きゃーーーっ』 ドン彡 ( 壁に飛ばされて激突したっ! ) ゆうすけ 「この数では・・・、くそ・・・」 と、その時っ! ズゴーーーン ズボっ バリーン 下から先程よりも激しい音が聞こえてきたっ! ガスっ ボーーン ズボっズボっ ドスン そして階段、廊下と激しく何かが壁にぶつかる音が近づいてきたっ! そして、チーランの視 界には、血まみれの透明な生物が次々と階段の踊り場横の壁にぶち当たり、穴を開けていく様 子が目に飛び込んできたっ! チーラン 「リツコっ!」 そして、部屋の中の山下巡査の直ぐ脇でも、 ガスっ ズボーーン バリーン 何かに殴られて飛ばされた透明な生物が横の壁に突き刺さり、血みどろになってその一部の姿 を露呈していたっ! ナンちゃん (こりゃ、こういちだ・・・) 「待たせたな。。。」 驚く顔のまま止まって動かない山下巡査のその横から、 ゆうすけ 「別に、待っちゃいねーよ。」 『ハイっ!』 ズボーン バリーン リツコ 「大丈夫~?」 (チーランの片腕を掴んで立たせながら、) チーラン 「このくらい、大したことない。」 タロ、よく我をサポートして戦ってくれた。 礼を申すぞ。」 タロ 『 Cooon♪』 ゆうすけ 「チーラン、口調が・・・」 チーラン 「うっ、気合が入るとつい・・・」 [空軍兵]淘汰(とうた) 「すいません、私が運び込む姿を見られていたようで・・・。」 ナンちゃん 「相手は見えないんだから仕方ないよ。 注意のしようがない。」 ゆうすけ 「にしても、警察署を襲うのかよ・・・。 国家公安を舐めているとしか言いようがないな。 山下巡査、下の様子見てきて下さい。 県警には私から連絡入れておきます。」 未だ、驚く顔のまま止まって動かない山下巡査。 ゆうすけ 「山下さん♪」 警察官 山下 「あ、はい・・・」 ( ようやく我に返る ) ゆうすけ 「お願いしますよ。」 警察官 山下 「は、はい・・・」 戦場の光景にオドオドしながら、階段を下りてゆく山下巡査。 うわぁ~ ゆうすけ 「さてっと、サンプルが増えちゃったな・・・。」 ナンちゃん 「一箇所に集めようか・・・?」 ゆうすけ 「そうだな、片付けにも貢献できるからそうしよう。」 リツコ、チーラン、ナンちゃん達は、血みどろになった生物達を壁から引っこ抜いたり廊下を 引きづりながら、一階の隅に運ぶのであった。 ~~~ ~~~ ~~~ 館長室内、ゆれるろうそくの炎の柔らかい明かりの中、黙々と三人が読書をしている。 ページをめくる音だけがその部屋のトピックスになっているかのような静けさ・・・。 そんな中、突然、師範が声を荒げた! 師範 秦 岱明(しん たいめい) 「んっ! こ、これはっ!」 スウラン 「あったかっ!」 師範 秦 岱明(しん たいめい) 「この文面はどうだろう。 『-大竹林寺の者の会話にて- 元帥殿が [ 悪鬼破壊の剣 ] (黒青の炎)がこの地に無いか探せと命を出す。 全宇宙の支配者、【全能の神々】の忘れ物。 その言い伝え 石碑に刻まれたモノなり。 と口にされたし。 当時の館長様は、『何を意味するか不明なり。 ただ念のため書き記す。』 とある。」 スウラン 「黒青の炎・・・ それだっ! 西艶殿の話に、黒青の炎を燃やさせてはならぬとあ った。」 館長 「するとそれは[剣]と捕らえることが出来る。 じゃが光物に該当するのかは不明じゃの・・・」 師範 秦 岱明(しん たいめい) 「たしかに。 [炎]とあり、ここでは[剣]だ。 館長様のおっしゃるように、これが光 物と結びつく内容ではないが・・・。」 スウラン 「石碑・・・!? 石碑に刻んだとあったっ! スウラン、石碑を探すっ! 大竹林寺に向かうっ!」 館長 「あ、これこれ・・・」 スウランは勢い良く館長室を飛び出すと、近くの修行道場の広場に入る。そして手を上げて [空軍兵]を呼びつけ、空の彼方へと飛び去って行ったのだった。 -つづく- (熱い者よのぉ・・・。) ※ このドラマはフィクションです。登場する内容は、実在する人物、団体等とは一切関係がありません。 また、無断で他への転載、使用等を堅く禁じます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月08日 16時50分42秒
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