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平成5年1月6日の中山2Rより。
このレース、競馬ブックの本命に推され、1キロ減の土谷騎手が乗るはずだった人気のトウホーヴォイス。何故柴田善騎手に乗り替わったかは不明だが、中山ダート1200mが得意である柴田善騎手に乗り替わり…チャンスが巡ってきたかに見えたが11着に敗れてしまった。ここではトウホーヴォイスの敗因を探っていきたいと思う。その前に、柴田善騎手の中山ダ1200mの騎乗ぶりだが、私のイメージはこの距離を凄く綺麗に乗るということ。ソツなく先行でき、安定した結果を残す。短距離ということもあり、前にいけるのは強みであり、頼もしくもある。たとえ先行できなくても、熟練の匠の技を魅せ、間を割って華麗な勝利を収めることもある。代表的な例が、2013年のカペラSのノーザンリバーだ。この時、ノーザンリバーは1枠1番を引き、スタートもあまり良くなかったので中団からの競馬を強いられた。中山ダ1200mは外枠がめっぽう強く、ノーザンリバーは枠も良くないし、位置取りも、ここから果たして馬群を割れるのかといった状況。しかし、徐々に前に進出し、直線では完全に先団に取り付いてみせた。その後、残り2F地点で狭くなるのだが、馬を促しつつ、前が開くのを待ち、開いた瞬間にスパート。彼にしかできないような、円熟の極みがみてとれる素晴らしい騎乗ぶりだった。その後、ノーザンリバーは重賞を2勝。柴田善騎手に導かれ重賞初勝利を挙げたことが、その後の活躍に結びついているし、彼が素質を開花させたといっても過言ではないだろう。まさに、「中山ダ1200mのマイスター」だ。 そんな彼がこのレースで操ったのが、ここが2戦目となるトウホーヴォイス。前走は同じ距離の新馬戦で4番人気に支持されており、6着。勝ち馬からは2秒1差だった。昔の競馬なら、新馬でいかなる着差で負けようが、未勝利戦になると全くレベルが違い、簡単に巻き返す例が多い。このレースのトウホーヴォイスは、新馬戦4番人気に支持された素質を買われて新馬戦は負けたが巻き返すだろうと踏んで買った人が多かったのだろう。しかし、新馬戦で、2秒1離されるのは正直どうだろう。管理する鈴木美師によると、「初戦は頭を上げてしまったが、この中間の稽古が良く、走るかもしれない」とコメントしているが、頭を上げてしまっても、素質が本物であれば2秒1をも離される6着ではなく、もっと着差が詰まった掲示板に乗るぐらいまで持ってこれるはずだ。トウホーヴォイスを買うぐらいなら、他の2戦目で、しかも芝から替わってきた馬の初ダートを買うほうがよかっただろう。結論からいえば、2秒1差というのは離れすぎ、これが本来のこの馬の実力で、走ったとしてもそれなり、というのが筋。実際に、5番手と好位から競馬を進めるが、スピードについていけなくなり、後退。4角では9番手に下がり、上がりも40秒4もかかってしまった。上がりでも馬券圏内に入った3頭には遠く及ばず、やはりそれなり、の結果になってしまった。素質を買っても、実際の競馬ではそれなりにしか走らない典型的な例をトウホーヴォイスは示してくれたと思う。 このレース、勝ったのはウインロング。新馬戦は4着。タイムはトウホーヴォイスと同じだが、この馬は5-4-3と、ポジションを上げてのレースぶりで、勝ち馬からの差も1秒6にとどまっている。一見、同じに見えるが、ポジションを上げているということは持続するスピードがあるということだし、勝ちタイムは遅いが、勝ち馬からの差を考えると、ウインロングの力というものも高かったのだろう。2頭を比べてみれば、差が出てくる。タイム差とスピードの持続力をみれば、取捨選択ができたレースではなかったかと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年05月16日 16時10分07秒
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