2022/03/13(日)19:17
映画レビュー 「ドリームプラン」
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離婚、再婚の繰り返しで子だくさんであれば、養育に手がかかるはず。反面、子育ての経験から育児計画は立てやすくなるかもしれない。そのような境遇にあったかもしれないけれど、黒人がテニスプレイヤーを目指すなんて、誰が思いつくだろう。そして、実行に移せるだろう。そして、青田刈りに屈せず自信をもって試合に勝って勝ちをあげることが出来るだろう、か。
この作品はそれを成しえたビーナス&セリーナのウィリアムズ姉妹の父親の物語である。
彼女たちの育ったカルフォルニア州コンプトンでの生活は創作されたシーンもあると思えるが、そこはその当時の劣悪な社会を反映させていて、多少の誇張があると見るべきかもしれない。とはいえ決して安全とは言えない地域で育ったといえよう。
そのコンプトンからフロリダへの移住は姉妹及び家族にとって夢への一大転換期であったと思える。
終盤、プロへ進むまでの道のりを父、母、ビーナスの間でのかんかんがくがくがある。ここが一番の見ものであった。リチャード・ウィリアムス(ウィル・スミス)と娘ビーナスとのシーンよりも、その直前の夫婦のいさかいでのオランシーン・ウィリアムス(アーンジャニュー・エリス)の台詞、演技が良かった。
プロデビュー後の成功物語はクレジット前の字幕で語られることになるが、クライマックスの試合は相手選手の手練手管、プロの策略が描かれていて、テニスのタフな点が描かれている。
2021年/アメリカ/144分/G
監督:レオナルド・マーカス・グリーン
脚本:ザック・ベイリン
出演:ウィル・スミス、アーンジャニュー・エリス、サナイヤ・シドニー、デミ・シングルトン、トニー・ゴールドウィン、ジョン・バーンサル、ミケイラ・ラシェ・バーソロミュー、ダニエル・ローソン、レイラ・クロフォード、ディラン・マクダーモット
原題:King Richard(「リチャード王」)
お薦め度
「ドリームプラン」★★★★(80%)
字幕翻訳:松浦美奈
字幕監修:伊達公子