2023/02/26(日)17:59
映画レビュー 「バビロン」
(C)2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.
なんてこった、超話題作がグロ、ゲロ、最悪映画なんて。
「ラ・ラ・ランド」のダミアン・チャゼル監督だよ。天下のブラピだよ、そしてマーゴット・ロビーだよ。なのに、なのに、なのに……。
映画創成期、サイレント映画が華やかし頃、ハリウッドにやってくる雑多な人々。俳優もエキストラも消耗するだけの世界。夜ごと酒池肉林の大パーティーが繰り広げられていた。
全裸に近い半裸でのたうちまわる映画関係者。数多の数に驚くばかり。酒、酒、酒。多くの酔客の中でバコバコやってる男女、男女、男女……。胸糞悪くなるシーンに、悪趣味な映画を見に来てしまったと思う。
メキシコからやってきた青年はプロデューサーに、女優を目指してやってきた女はスター女優になっていく。
時代はサイレントからトーキーへ移り変わろうとしていた。声に難がある俳優たちはお払い箱になっていく…
賭博好きの女は払いきれない借金を督促され青年に泣きつくが……。
まやかしの世界とも思える映画製作の怒涛の日々を赤裸々というか、差別・侮蔑・犯罪を散りばめて描く。
人種差別やジェンダー問題にうるさい現代において、よくこの企画が通り、製作され、しかも問題提起されることなく公開されたことに驚いた。
酒池肉林のパーティーシーンを見ながら、裸体をさらした女性たちが意にそまないでやっていないか、また、ノーブラで登場のマーゴット・ロビーがセクハラを感じていないかとても気になった。
残念な映画である。
女性監督役のオリビア・ハミルトンが良かった。
ネリー・ラロイ(マーゴット・ロビー)の父親役でエリック・ロバーツが出演していたことに驚き。
2022年/アメリカ/189分/R15+
監督:デイミアン・チャゼル
脚本:デイミアン・チャゼル
出演:ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー、ディエゴ・カルバ、ジーン・スマート、ジョバン・アデポ、リー・ジュン・リー、トビー・マグワイア、オリビア・ハミルトン、P・J・バーン、ルーカス・ハース、マックス・ミンゲラ、ローリー・スコーベル、キャサリン・ウォーターストン、フリー、ジェフ・ガーリン、エリック・ロバーツ、イーサン・サプリー、サマラ・ウィービング、オリビア・ワイルド原題:Babylon(「バビロン」)
お薦め度
「バビロン」★★(40%) 字幕翻訳:松浦美奈