バテレン追放令
私はネットで「New History」という講座を受けている。毎月テーマを設けて解説があるのだが、今月は戦国時代・織田信長から江戸時代初期までにかけての動きを、教科書とは違う観点から考察するものだった。講師は田中英道氏、とてもユニークで、一つの解釈として斬新、なかなか面白い。 今日の講義で印象に残ったのは、バテレン追放令の背景。クリスチャンである私はずっと、秀吉・家康のキリシタン迫害を否定的に受取り、主導した秀吉や家康を悪政者であると考えてきた。それは今でも世間での一般常識である。そうではない見方には初めて出会った。 当時ザビエルを始めとしたイエズス会の宣教は、個人的には純粋な伝道活動ではあったかもしれないが、スペインやポルトガルの拡張政策の先鋒隊の役割を担っていたことは残念ながら確かである。南アメリカやフィリピン始め東アジアの植民地化にはセットで寄与していた。日本でも同様の危機は存在していた。 加えて日本では、何万人もの日本人が奴隷として海外に売られていたというのも事実らしい。これへの憤りと、例のサン・フェリペ号事件による、キリスト教宣教が植民地化の嚆矢であったという発言がきっかけとなり秀吉に警戒感を増幅させたという解釈である。納得せざるを得ないと感じた。 ただ、Wikiによるこの解説を見ると、また別の側面の解説に出会った。すなわち、秀吉によるフィリピン植民地化構想との兼ね合いである。朝鮮出兵が明への攻勢の入口としてだったことは確かであり、ここまで秀吉が企図していたという解釈もあながち否定できない。 どちらにしても、教科書で習った歴史とは異なる背景が渦巻いているらしいことには改めて気づき肝に銘じることになった。田中英道氏には引続き学んでいくこととしたい。日本国史の源流 縄文精神とやまとごころ [ 田中 英道 ]価格:1,650円(税込、送料無料) (2023/8/16時点)楽天で購入 図は「サン・フェリペ号」