着色料は、
藺草の色のばらつきを均一化し、畳表の色を鮮やかに保ち、より青く見せるため使用されます。
畳表は青いほうが新しく美しいという情報によって、より青く着色された畳が多く流通し始めました。
着色した場合、質の悪い藺草を使用しても最初は綺麗に見せることができるという理由もあります。
このような理由で、特に中国産の畳表に多く使用されています。
しかし一方で、着色料を利用することによって、そこに住まう人の健康に影響を及ぼすことになりました。
さらに、着色料によって藺草自体の繊維や色素(葉緑素)を傷めることで耐久性も低下し、畳本来の良い特性が生かされなくなってきました。
では、一体どのような着色方法や着色料があるのでしょうか?
着色の方法には2種類あります。
・直接畳表に噴射するタイプ
中国産の畳表によく使用される方法
・染土に混ぜるタイプ
【主な着色料】
・マラカイトグリーン
以前よりかなり減ってきているといわれます。
→ この色素についての問題点は、「マラカイトグリーン」をご覧ください
・硫黄
硫黄を燃やしたときに出る漂白作用のある二酸化硫黄という物質で薫蒸した藺草は、
黒味が消え、すっきりした色調の藺草になり、高級な畳表として販売されています。
しかし、この二酸化硫黄で薫蒸した畳表は、畳表本来のにおいでなく、鼻を刺激する
異臭がします。
・金属イオン
このように着色加工した畳表は、その着色料のにおいがしますが、それを今まで新しい畳のにおいと勘違いされてきました。
畳は横になったり、寝そべったりして身体中が接触しやすい場所です。さらに乳幼児の場合、寝そべって皮膚への接触以外に、舐めたりする場合があります。
では、一体どうやって着色料を使用している畳表とそうでない畳表を見分けるのでしょうか?
一般に言われるのが、畳を乾いた雑巾で拭くということです。
これは畳を拭くことで雑巾に青や緑の色がつく畳表の場合、ほとんどが化学的な着色料を使用しているといえるからです。
但し、染土で染められた畳表を同じように雑巾で拭いた場合も、若干の青染土の青みがつく場合がありますが、2度目に拭くとほとんどつかなくなります。
※青染土を使用の場合、着色料を使用した畳表と区別がつきにくい