特に中国から輸入されているものが多く、量的に国内消費量のかなりの数量に及んでいます。
土壌の差は勿論のこと藺草の収穫後の取り扱いの差によって品質や耐久性に格段の差異が生まれています。
特に泥染め後の乾燥の違いは決定的ともいえるものです。
【国産と中国産の比較】
■ 乾燥
国産
58度から62度の温度で14~16時間くらいかけて乾燥が行なわれます。
中国産
100度に近い高温で短時間(6~9時間)で乾燥が行なわれます。
この乾燥の違いの結果、中国産は繊維の組成を壊し藺草の持っている粘りや弾力性を乾燥
段階でなくしてしまっています。
又、畳表の製織後の乾燥も高温で行っているので、そこでも藺草の繊維質を痛めて脆く表皮
のはがれやすい耐久性のない畳表になってしまっています。
■ 収穫時期
国産
6月下旬~7月中旬
中国産
日本より1ヶ月くらい早い
収穫時期が早いのは、藺草の先が枯れたり、茎に焼けが出るのを恐れるあまり十分に藺草が
育つ前に刈り取るために、表皮が薄いだけでなくもともと脆い藺草でもあります。
■ 着色料
国産
一部の畳表には使用されていますが、減少しています。
中国産
ほとんどのものが着色されています。
■ その他
国産
農家単位で藺草栽培から製織までして畳表を作るので質が揃っています。
中国産
様々な水田で栽培された藺草を工場に集め、それらを混ぜて乾燥し、製織をするので
藺草の泥染めの時に顔料を加えて色合いの統一を計っています。
さらに、製織後の畳表自体を着色加工して色合いの統一を図っているものまであります。
国産と中国産を比較すると、単純に国産のものがよく中国産の方が悪いという見方をされると
思いますが、実際には同じ値段であれば中国産の方が丈夫でいいとも言われます。
とはいえ、着色料や防腐剤に関して中国産は情報が少なく不安な面は拭いきれません。
ここで大事なのは、まず畳と一言でいっても畳表にも様々なものがあり、それらをどのように
製造・加工しているのかを知ることが先決で、その後はその知識を生かしながら畳の専門家
の方と相談して体にも建物にとってもいいものを選ぶことだと思います。