2008/10/25(土)12:45
Troy Davis
アムネスティ・インターナショナルから、
10月27日にアメリカ・アトランタで予定されていたトロイ・デイビスの死刑執行が停止(a stay of execution)された旨を伝えるEメールが届きました。
これまでの経緯をとても短くすると:
トロイ・デイビス(黒人)は(白人)警官殺害の罪で1991年に有罪となり死刑を言い渡されました。しかし物的証拠がなく、かつ宣誓供述した9人のうち7人が後日証言を撤回あるいは変更していることから、支持者らによる死刑停止を求める声が高まっていました。
今回、アムネスティ・インターナショナルを通じ世界に発信された彼への死刑執行見直しの呼びかけに応じたのは約30万。
カーター元米大統領、ローマ法王、元英国国教会ケープタウン大司教でノーベル平和賞受賞者のデズモンド・ツツなどの著名人らもこの事件で正義がなされることを希望すると発表し、世界の人々の注目する事件となりました。
わたしは彼が殺人犯かどうかについては判断できません。
ただ、事実が曖昧なまま死刑にしようというのは、
人権の侵害です。
そして、法を守るべき人たちによる
法を侮辱する行為です。
そう考えて、
アムネスティ・インターナショナルが用意してくれたEメールをアトランタの裁判所に送りました。
世界の人たちの声が事を動かす力となった。
その中にわたしの一通が含まれている。
個人の決断と行動で世界は変る。
その思いを強くしました。
アムネスティ・インターナショナル日本のサイトには一ヶ月前の死刑執行停止のニュースが載っています。つまり、今回が初めてではないのです。トロイ・デイビスは3度死刑を言い渡されています。これだけで、事件の異常さが分かります。
アメリカ南部における根強い人種差別
(文面にはありませんが、現場ではこれが最大の問題であることは容易に推測できます)。
審議の過程を含め、人が合法的に人を殺すことができるという死刑のあり方。
人間の良心が問われる問題です。