カテゴリ:美味しいもの
今日は元社員と青山のフォレストで、エスカルゴを食べた。
うまい!会社を離れて3ヶ月、いろんなことがあったようだ。 雇用関係の時には見えなかったものが見えたりする。 さて、バリ島旅行以来、小説書くのずっとさぼってので、そろそろまた書き始めます。 ーーーーーーー 夜声はっちょう(前回) 道彦は中庭の柿の木の下にいた。 きっと今頃、猛が富子に道彦の面倒をしばらく見て欲しいと頼んでいるだろう。富子はきっと嫌みの一言、二言言っているに違いない。明日の朝になれば猛は道彦をここに置いて、長崎に帰る。母の咲恵に説得されてここまで来たけど、納得している訳ではなかった。でも10才の子供に何ができるだろう。納得するとか、しないとか、それは大人の言えることだ。朝工場に向かう咲恵が、道彦を抱きしめた。 「すぐに迎えに来るけんね」 「うん」 「おばあちゃんの言うことば、ようきかんばよ」 「うん」 体には、まだ母のぬくもりが残っていた。柿の木のてっぺんから夕陽が沈んでいく。まるで大きな柿がぶら下がっているように見えた。 「道彦、何ばしよっと。夕飯食べんね」 節子が道彦を呼ぶ声がした。 夜声(よごえ)はっちょう 続き 灯火管制がひかれている中、戸外に明かりがもれないように、天井の裸電球の傘には黒い布が巻かれていた。ろうそくの明かりのように弱い電力なので、「そうろく送電」と呼ばれていた。またろうそくも貴重品だった。芯が燃えてしまって残った蝋を集めて、糸を入れまたろうそくを作ったるのは、道彦の仕事だった。 食卓には大根飯とたくあん、そして焼いたイワシが皿に一匹だけ乗っていた。道彦は富子の顔を見上げた。 「今日はよう歩いて疲れたやろ。ほら食べんね」とイワシを勧めてくれた。 道彦は猛の顔を見た。 「父さんはお腹いっぱいやっけん。道彦が食べんね」 「俺も空いとらんけん」そう言った途端、道彦のお腹が鳴った。富子が大きな声を出して、笑った。 「この子は、優しか子たい。遠慮せんで食べんね」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008年05月17日 00時52分26秒
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