もう大変でした…
今日で断酒生活14日目に入りました。「良性発作性頭位めまい症」と診断されて2週間が経ったわけです。酒は断った事で寝付きが悪い事もありませんし、心配していたピンクの象や、小さな兵隊が進軍して来る幻覚に悩まされる事もないので、30年間檄呑み続けて来ましたが、今回発症した病気と同じくらいに恐れていた「アル中」ではなかったとほっとしております。今は仕事もしておりますし、車も運転出来るようになりましたから、悪夢のような出来事に対する恐怖も少しは和らいで来ておりますが、これからは暴飲を慎み(原因ではないとは思いたい!)体調には十分気をつけようと思っております。さて、病院に運ばれてベッドで診察を受けながらめまいと嘔吐感で息も絶え絶えになっていた時に考えた事は、やはり脳卒中系の病気に対する恐怖心でした。診察が始まると医師が「すぐにレントゲン技師にMRIの用意をしてもらって」と言う声が聞こえたので恐怖心は更に大きくなりましたが、もしそうならすぐにでも手術でも何でもしてもらって一日も早く健康を取り戻したいと思う自分に…常々「もう50年以上も生きたから何かあっても諦めるさ…ははは」なんて枯れた言葉を吐いていた事が、実は本心ではなかった事を恥ずかしく思ったりしながらも「うちの猫のにゃにゃは長生きしてるのものなぁ…俺だってまだ…」なんてわけの分らない事を考えながら、めまいと嘔吐感と闘っておりました。緊急で呼ばれてきたレントゲン技師は偶然同級生の「渋ちん」でしたが、もちろんいつものような軽口を叩く余裕もなく、ぐったりとしたまま「まいったよ」と言うのがやっとで、渋ちんも「カルテの名前見てびっくりしたよ」と、言いながら手早く準備をしておりました。少しでも動くと症状がひどくなりますので、真上を向いたまま看護師さんと渋ちんの手を借りて横ばいに動こうと必死になるのですが、肥満率の高い私を動かすのに二人では手に余すようで、中々MRIに上がる事が出来ずにもがいておりました。やっと、身体の半分が乗り移ったので、私がここは力及ばずもやっと出番が来たとばかりに右足を伸ばして「ぐいっと」最後の力を振り絞った時…「あてっててて!渋ちん足つったぁ~」情けないことにこんな時に「腓返り」です。激痛に襲われましたが、もちろん起き上がる事も出来ません。全身を硬直させながら吐き気と痛みに耐えていたところ、剣道5段の渋ちんがなれた手つきで固まった筋肉を伸ばしてくれたので数分で治り無事にMRIで検査をする事が出来ました。「20分で終わるけど、具合が悪くなったらボタン押してくれ」と、言いながらトンネルの様な検査機の中に押し込まれました。「カキンカキン」と耳栓越しに聞こえてくる検査の音が止まりMRIから出て来ると。「頭は大丈夫、心配ないぞ」と、渋ちんが落ち着いた声で言ってくれたので、ほっとしたのですが…「あぁ何とか猫のにゃにゃよりは、長生き出来るかもしれないなぁ…」と、妻や子供達ではなくなぜか猫の事が頭に浮かんだことを、今更ながら不思議に思っております。いつまで呑めないのかなぁ…それにそろそろ卓球の事も書かなくてはなぁ…