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February 4, 2011
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技術・研究の進歩は一歩ずつ地道な事でありますが、その積み重ねの結果驚くべき技術革新が起るのでしょうね、わたくしの年代はその生き証人と言っても良いのかもしれません。

最近は技術が進むと言いますと、主にパソコンですとかハイブリッド車などに活用されているITやデジタル技術関係を連想しがちです。

しかし、「くまのぶろぐ」は“卓球だけ”について深く掘り下げることを目的として日々更新しているものでありますから、ここでの技術とはもちろん卓球に関係する“技術”についてのお話しであります。

技術の進歩により卓球用品は大きく進歩して来ました。
まずはラケットにカーボンなどの新素材が登場しました。
木材と比べると重くてハードな感触でしたが、使用者を満足させるには十分すぎるほどの威力を備えておりました。それからも様々な新素材が登場して、現在は卓球王国のラケットランキング1位のインナーフォースに代表されるようにラケットは日々進化を続けております。

ラバーも同様に進歩を続けております。
長い間マークV・スレイバーなどに代表される高弾性ラバーが主流でありました。
その後テンション系ラバーがユーザーも驚きの高額を引っさげて登場しましたが、完全に高弾性に取って変わるまでには至りませんでした。

しかしスピードグルーが禁止された後、高弾性ラバーは30年君臨した表舞台からついに降りることになりました。

今思えばこの時期は、グルー時代の感触と威力を求めるユーザーに各メーカーが特色とポテンシャルをアピールする最大のチャンスであったようです。
日本のメーカーはもちろん。ドイツラバーに代表される輸入ラバーも多く市場に出回る事になり、ちょっとしたラバー戦国時代の訪れ思わせました…が…

ここで、満を持して「テナジー」が登場します。(発売後は需要に供給が間に合わず随分混乱しました。)

“エネルギー内蔵型ラバー”は、前評判の通りの高性能を備えていて「テナジー」は、一流選手、有名選手そして中高生にまで浸透したため、乱世の匂いは一瞬で消えてしまい「マークV・スレイバー」時代を越える勢いでラバー市場を一気に席巻しました。

まさに“エネルギー内蔵型ラバー”は「技術革新」のたまものであり、考えられないほどの高額ではありましたが、その性能はユーザーを十分満足させるものでした。

しかし、わたくしはテナジーが登場して以来不思議な事が起ったと思っております。
各国の代表で戦っていた選手達が使用していた高弾性ラバーが、なぜか現在は中学などで“初心者用”として使用されるケースをお見受けするようになったことです。

現にティモボルが使用していたスレイバークラスのラバーを初心者に勧めている指導者も多くいるようです。

「テナジーと比べて扱いやすいから」???

あれれ???つい最近までは、スレイバーやマークVが飛び過ぎてコントロールが難しいので“初心者向きではない”とされていたはずなのに…一体どうした事なのでしょうか?

わたくしは初心者にも最初からコントロール系のラバーではなく、高弾性ラバーの厚を使用することを推奨しておりましたから違和感はございません。
合わせて初心者にはコントロール系の“中”を推奨していた方々が“エネルギー内蔵型”の登場後指導方針を変更したことについては、本当に素晴らしいご判断をなされたとも思っております。

しかし、ここで大切なことは、ハード面の技術革新を受け入れるのであれば、ソフト面においてもそれに見合った“技術革新”を受け入れなくては、せっかくの高性能用具も…よく聞く四文字熟語で終わってしまう可能性も考えられる事です…セットで2万円を軽く越えるのですから…そんな事があってはいけませんよね…

…それにしても、このデフレ時代に天井知らずに昇り続ける卓球用品が、きっと日本を覆い尽くすデフレスパイラルからの脱却の起爆剤に…なるわけはありませんよねぇ~





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Last updated  February 4, 2011 01:00:00 PM



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