クラシック音楽エッセイ~今日の1曲

2011/12/26(月)18:29

第59話:ブラームスが共演者レメーニのおかげで出会った音楽とは

 ブラームス◇ハンガリー舞曲第1番 / 第6番ドヴォルザークを見出したブラームス、スラブ舞曲を書くように勧めたのもそれはブラームス自身が成功を収めた「ハンガリー舞曲」があったからでした。今日はそのハンガリー舞曲にまつわる事を少しお話をしたいと思います。ブラームスはドヴォルザークより少し早く1833年にドイツで生まれ作曲家、ピアニスト、指揮者です。さて、ブラームスは1850年の前半にエドアルト・レメーニ(ハンガリー出身のヴァイオリニスト)の伴奏者としてドイツ各地での演奏旅行を行い、その時にレメーニからロマの民族音楽を教えられ魅了されました。それ以来、ハンガリーの民族舞曲の採譜を続け、1867年に出版社のジムロックに最初の6曲を送ったのです。しかし、当時、「ロマ」=ジプシーは野蛮なものとして卑下されていたため、かなりの反発を受け作品は拒否されます。やがて1870年に出版され大好評となり、続いて1880年に第2集が刊行されました。         今日の1枚~ルソー Rousseau(1844~1910)仏◇眠れるジプシーさて、ハンガリー舞曲集は全部で21曲ですが、まず1872年に連弾用(4手)として出版されました。それぞれの曲の長さは1分~4分程度です。また作品番号がついていないのは、これが自作ではなく、伝統音楽の「編曲」にすぎなかったからだそう。(ただし、11番・14番・16番の主題は、完全にブラームスの創作であったとの事)。中でもかの有名な5番は、実は管弦楽用に別人によって再編曲されたものですが、曲自体は「ケーレル・ベーラ」という音楽家の作曲した「チャールダーシュ」です。そこでみなさん、「チャールダーシュ」と言うとあのヴァイオリンのアンコールピースでお馴染みのモンティー作曲のそれを思い浮かべる方も多いはず。この「チャールダーシュ」とは、ハンガリー音楽の一ジャンルであり、ヴェルブンコシュから派生し「酒場風」という意味であるのだそうです。「チャールダッシュ」とはあの曲1曲では無かったのですね。ハンガリー舞曲の大きな特徴としてはこちら、◇短調でその第4度を半音上げる=ドレミファのファが#になる、という意味 ◇メロディに各種の装飾を加える ◇速度を多様に変化させる(=ゆるやかで訴えるような部分と急速で熱狂的な部分を対比させる) ◇節分音(シンコペーション)でリズム変化を持たせる等々・・そんな連弾でポピュラーになったハンガリー舞曲ですが、今日の動画はピアノソロとヴァイオリンソロとの編曲ヴァージョンでお届けします。*尚、ピアノソロの方、編曲は超絶技巧で名高く、リストの再来と呼ばれているジョルジ・シフラ(Georges Cziffra1921~1994)、ハンガリー出身ピアニストによる編曲です。ピアノ:キーシンEvgeny Kissin ハンガリー舞曲第1番http://www.youtube.com/watch?v=2CYD9bfsrpIヴァイオリン:ムッターAnne-Sophie Mutter ハンガリー舞曲第6番 http://www.youtube.com/watch?v=dYmntyw3C1s&feature=related       私のyoutubeコーナー Chopinショパン◇小犬のワルツ        ピアノ 本間くみ子http://www.youtube.com/watch?v=Ps1_jIq22G4昨年9月にショパンワルツ集14曲の録音、アルバムを作りその中の1曲です。

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