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カテゴリ:バイク
私は毎日、仕事でもバイクに乗っている。今日は、定期的に来る旅行会社のカタログ配達日だった。
一冊毎の重量があり、数百件の配達分となると相当重くなる。その重みでタイヤが変形してしまう 程だ。前と後ろのバランスも考えなくてはならない。ハンドルの取り回しをしてみて、これなら いけると判断し出発した。 配達し始めてすぐの事だった。急坂にある家の前にバイクを停めポストへ行こうと思った瞬間、 重みでバイクが転倒してしまった。荷が無残に散らばってしまい頭の中が真っ白になった。幸い バイクには損傷がないようだった。そのままではバイクが起きないと思い、一旦重いカタログを 出した。かろうじてバイクが起きてサイドスタンドで停め直した。 さっきとは違う角度でこれなら大丈夫だと思い、もう一度荷を詰めた。ところが最後の一塊の カタログを入れたとたんまたバイクが倒れてしまった。慌てて中の荷を出してバイクを起こした のだが、この時膝を擦りむいてしまった。真新しい制服のズボンが破れてしまい、ますます情け なくなった。この状況を何とかしなければと必死になって、怪我の痛みは全然感じなかった。 サイドスタンドでは無理なのかと思い、センターを立ててみた。安定していたのでほっとし、 また荷を積み直し出発しようとしたら、重みで前が浮き上がりスタンドが降りない。たまたま 通りかかった方に後ろから押してもらったがまったくバイクが動かない。また荷を降ろさねばと がっかりしてしまった。 その方に帰ってもらって荷を降ろしたものの、やはりスタンドが降りない。足がべったり付く 男性なら何とかなったのかもしれないが、私は足が完全に届かず踏ん張れない。たまに通りがかる 通行人はお年寄りばかり。助けてもらいたくても声をかけられない。途方にくれ、『職場に応援を 頼もうか』と思ったところで宅急便の車が横を通りかけた。 思わず手を上げ、「後ろから押して頂けませんか」とお願いした。やっとのことでスタンドが降り 走行できるようになったので、平坦な地まで移動した。いったん降ろした荷を再再度積み直し、 ようやく出発できた。30分のロスだ。いつも以上に速度を上げた。でも決して間違えないように 一軒一軒配達する。 普段のツーリングやロングツーリングでも経験しないようなアクシデントに、酷く疲れた一日だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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