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2005.10.08
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カテゴリ:カテゴリ未分類
ミホラのおじょう

本村の北、宮塚山の西麓に当たるところに「ミホラ」と呼ばれる沢がある。

ここに若くて美しい女性が住んでいたと伝えられ、人呼んで。

「ミホラのおじょう」という、元来新島では11月14,15の両日は。

山にはいらない掟になつている。今から70数年前のこと。

屋号を「K」と呼ばれる家の雇い人に「H」さんという女がいた。

「H」さんは生まれつきオシであつたが、たまたま禁を忘れて。

14日に山に入った、ところがどうしたわけか、

常日頃歩きなれた道であるのに迷ってしまい、さまよい歩くうちに。

とある泉の湧いてる場所に出た、この泉がいわゆる「おじょうヶ池」で。

今は涸れてしまったが地名は残っている。

さてさまよい出たHさんが、何気なく目をやると、反対側の。

水辺で大島田に髪を結った、若い美しい女が赤ん坊の体を洗っていた。

女は顔をあげると、あっけに取られているHさんに言った。

「今日は山に入ってはいけない日だ、それなのになぜ来たか。

直ぐに山を降りて家に帰れ」、Hさんは生まれつきのオシであつたが。

持ち前の感でそれと覚った、しかし、女があまりに美しいのと。

山の中という似つかわしくない場所とに驚いて、しばらくとどまつていると

女は怒ってHさんの顔を両手の爪で引っかいた。

Hさんは顔中血まみれになって、後をも見ずに飛ぶように山を降りた。

その後、この日になると、心無き村人がしばしばHさんをからかったが。

そのつどHさんは顔色を変えて恐ろしそうにしたという。

思うに、Hさんが禁を破って山に入ったため。

山神の怒りにふれて戒められたのか、あるいはまた、事実。

「ミホラのおじょう」の魂のなせるわざであったのかも知れない。

自分も小学生頃、この話を聞いた時、そんなに綺麗な女の人なら。

見てみたいと思い、何人かの仲間と11月14日にその場所へ。

行こうと相談していた時、近所のおばさんに相談の話を聞かれて。

イシラそんなバカな事はよしよ(お前たちそんなバカな事は止めろ)。と

怒られた、事もあった、小学校の高学年の頃で、そろそろ。

色気づいてきた頃の話です。現在は山に入っては駄目な日のことを

知らない人も多く、知っていても11月14、15日であることは。

知らないでしょうし、この日も平気で山に入っている。

もはや過去話として忘れ去られているのか?

また中にはそんな事があるわけない、ただの作り話だという人もいる。

そのわりには1月24日のカンナンボーシは信じるようで。

その日の晩は飲み屋さんも休み、消防団の冬季夜警も無し。

外を出歩く人もいない。カンナンボーシの話は後日書きます。
















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Last updated  2005.10.08 21:35:58
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