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カテゴリ:競馬
まさかの結末だった。ブエナビスタは先頭でゴールを駆け抜けた。しかし、歓喜に浸る陣営に待っていたのは降着の判定。最後の直線で2位で入線したローズキングダムの進路を妨害したと判定された。
長い審議の最後に、裁決ルームに呼ばれたスミヨンは、顔をしかめながら裁決ルームから出てきた。「ユタカ(ローズキングダム)と接触したときに、手前を変えて内にもたれてしまった。(降着は)郷に入れば郷に従えだから。日本のルールに従うしかない。でも、能力は見せられたと思う」。自身が活躍する欧州競馬の感覚からすれば、厳し過ぎる判定に納得しかねる様子。 松田博師が裁決ルームに呼ばれたのは、スミヨンの後だった。「ウチの馬が審議の対象になっているのは分かっていたが、あれぐらいのことで、まさか降着になるなんて思わなかった。びっくりしたわ」。目標として掲げた天皇賞、ジャパンC、有馬記念の秋のGI3冠完全制圧、それに伴うボーナス2億円獲得は夢と消えた。 ブエナにとって、牝馬3冠を狙った昨年の秋華賞(2位入線から3着)に続く2度目の降着。有馬記念では無念を晴らしたいところだ。「ケチがついたから、少しでもおかしなところがあれば使わない。でも、勝った(1位入線)から疲れは残らないやろう」とグランプリでの雪辱を期す。引き続きスミヨンとコンビを組む暮れの中山で“最強馬”の称号を目指す。 ローズキングダム繰り上がりVに武豊「負けて勝つ」 国内外の強豪馬が集結した「第30回ジャパンC・GI」(芝2400m)は28日、東京10Rに18頭で争われ、圧倒的な1番人気に推されたブエナビスタが直線で抜け出し、1位で入線したが、直線で他馬の進路を妨害したとして2着に降着となった。不利を受けたローズキングダムが繰り上がり、昨年の朝日杯FS以来となる2度目のGI制覇を飾った。3着は8番人気のヴィクトワールピサ。 ゴールまであきらめずに追った武豊は「大きい鼻差だった」と振り返る。3位入線なら2着に繰り上がるだけ。「すっきりと勝ちたかったけど。“負けて勝つという”ね」と話し「あれだけの不利を受けても勝負根性を出したのが、あの馬の能力。大したもの」と相棒をたたえた。 橋口師は「パトロールを見れば一目りょう然。後味が悪い。勝ちはしたけど、複雑な気分。何て表現したらいいか分からない」と勝者とは思えない、ぶぜんとした表情。 それでも、厳しい不利を乗り越えて伸びた姿に、師も「ゴール前、あと100mを切ってグンと伸びる。そして、すごい根性をしている。普通ならひるんで4、5着」と感心する。 次は暮れの大一番、有馬記念で3度目のGI制覇を狙う。「胸を張って行きます」。そう言って橋口師が力を込めれば、主戦も「今度はすっきりと勝ちたい」と口を強く結んだ。今度は迎え撃つ立場。グランプリで気分良く締める。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.11.29 20:27:10
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