梅田コマ「チエミの白狐の恋」の劇中歌~1
昭和46年(1971年)6月3日から27日まで、梅田コマ・スタジアム(後の梅田コマ劇場)で、江利チエミ梅田コマ出演十周年記念公演として「チエミの白狐の恋」が上演されました。(この当時のことについては2006年3月12日と5月27日の日記で紹介しています。)「チエミの白狐の恋」は、チエミさんのデビュー二十周年ということもあり、それまでのヒット曲が劇中化として挿入されていますが、この公演でチエミさんが歌った曲目について、台本を見てようやくはっきりと思い出したのでご紹介します。歌は、劇中歌ということなので、全曲日本語をベースに歌われます。第一部・・みそめし人は第1景 オープニングメドレー~信太の森まず、オープニングは、チエミさん扮する狐のユキが、信太の森を梅田コマの舞台に見立てて、森の動物たちを前に歌い踊るシーンで幕が開きます。◎オープニング(新聞掲載記事より)*カモンナ・マイ・ハウスまず、舞台中央のせり上がった盆の上でチエミさんが短いパンツにブーツスタイルで登場、「Ah apricot plam cakes and candy a pork,lamb too Ah,just for you・・・」の歌で、コマ・ミュージカル・チームの群舞と共に幕が開きます。この群舞のメンバーも信太の森の動物たちが姿を変えている、という設定です。出だし以外は日本語です。*続いて、「裏町のお転婆娘」ですが、このコマの公演で聴いた「裏町のお転婆娘」が、他のどのバージョンよりも出色の出来だと思っています。本当に、良く伸びる声で、溌溂と歌いますが、何より本当にチャーミングなチエミさんでした。この後、チエミさんのご挨拶が入りましたが、その中で本当は狐のユキが人間に化けて歌を歌っているという説明も入ります。*セッシ・ボン挨拶の後、歌が再開されますが、この曲も、本当に艷やかな声で時に色っぽく、素晴らしいものでした。群舞は無く、一人、ステージで歌います。*アンナこの曲の前に、一度チエミさんが姿を消し、続いて始まる群舞の「ちょいと姉さんどこへ行くの・・」というコーラスに答えてチエミさんが登場したと思うのですが、ここで衣装も変わっていた・・かどうかは覚えていません。コミカルに歌います。*ジャンバラヤ英語を交えて歌います。歌い終わるとお芝居に入ります。狐の新吉(茶川一郎さん)がユキを好いている、という仲間の話を聞き、もっと激しい恋がしたい、とユキが再び歌います。*霧のロンドン・ブリッジ「チエミの白狐の恋」のテーマ曲にもなっている曲です。激しい恋に焦がれるユキが歌います。~命をかけても 命を捨てても 燃えあがる恋を 恋を・・・・・~歌のサビに移るところで、背景がコマの舞台から、信太の森に戻っていきます。ユキは必死で神通力で下の舞台に戻そうとしますが、止まりません。コマの舞台に変える力はまだユキ一人では足りず、母狐(清川虹子さん)が手助けをしていたことがわかり、ユキは母狐から、神通力を使うには精力を使い、使いすぎは命を縮めることを教わるのです。第1景の終幕近く、母狐がユキの声でさのさを歌いますが、途中で通力が切れて母狐の声になってしまいます。このあと続いて2番をユキ(チエミさん)が唄い、第一場が暗転となります。◎狐の姿に戻ったユキ第5景 絶景(森と湖その4)*恋人と呼ばせて迷子になった子狐を助けようとして罠にかかったところを、保名(中村嘉葎雄さん)に助けられたユキは、その優しさにいつしか惹かれていきます。その思いを歌に託します。第6景 大木のある森の中(森と湖その5)保名が葛の葉姫(チエミ二役)と婚礼を上げることを知ったユキは、保名をあきらめるため、森の奥へ戻る決心をします。「・・・やっぱり私はあの人を諦めなくてはいけないのね。あたしは狐、あの人は人間、そうだ、うんと山奥へ行こう、行っちまおう・・あの人を忘れられるように・・・」という台詞の後、オリジナル曲「旅立つ朝」を歌います。ワンコーラスを歌ったところで、ユキを見守る学者狐(花柳喜章さん)とのやりとりを挟んで、再びサビの部分(遠い故郷まで 帰ろ ひとりきりで・・・)をゆっくり噛み締めるように唄います。歌い終わると静かに幕が降り、第一部が終わります。