カテゴリ:奈良近郊の景色
先日、何十年振りかで山辺の道を歩いた。家内と一緒。
膝痛という持病のようなものを抱えているので、余り無理せず、JR万葉まほろば線の柳本駅からスタートし、天理駅まで。 長岳寺を経て山辺の道を北上、3~4時間を予定。 10時過ぎの奈良駅発の電車に乗る。電車は2両連結のワンマンカーで、奈良や天理のような主要な駅以外は1両目の後ろのドアから乗車し、前の運転席横のドアから下車するシステム。 20分ほどで柳本に到着、改札口をICOCAで出て、駅前のタイル模様の綺麗な道を東に向かって天理街道へ。 歩きはじめて程なく、家内が前を歩く女性が「ボランティアガイド」と書かれた鮮やかなグリーンのジャンパーを着た女性を発見。小走りで追い付いて声をかけた。 なんでも、ボランティアでこの近辺の旧跡のガイドをしているのだそうで、今日は長岳寺での仕事とのこと。 我々もこれから長岳寺を訪ね、その後天理まで山辺の道を歩くことを告げると、このガイドさん、せっかく来たのだから長岳寺の前に黒塚古墳に寄るのがお勧め、と教えてくれた。 やがて黒塚古墳に到着。ガイドの女性と一旦別れて、我々は黒塚古墳へ。 黒塚古墳は、古墳時代前期(3世紀後半から4世紀)の古墳と推定されている全長130メートルの前方後円墳。周辺を池に囲まれており、後円部からは大きな竪穴式石室が発掘され、33個の三角縁神獣鏡をはじめとする副葬品が出土したことで有名。 これだけ多くの三角縁神獣鏡が出土したことから、邪馬台国の所在地とする論争とも無縁でなく、今後の研究の結果が待たれている。 石室の復元したものと三角縁神獣鏡のレプリカが、古墳に隣接している黒塚古墳展示館で見ることができる。鏡の表面に鋳造されたさまざまな動物についても、ボランティアの方の詳しい説明も聴くことができる。三角縁神獣鏡は平均22センチ、重さ1キロと、見かけよりはるかに重く、そのずっしりとした重みが歴史を感じさせる。 また、後円部に登ることができ、南の方向には卑弥呼の墓ともいわれる箸墓古墳を臨むことができる。 黒塚古墳で、予想以上に時間を取り、急いで長岳寺へ向かう。 天理街道に出たところで、御陵餅のお店でおはぎを買い、崇神天皇陵を右手に見ながら天理街道から長岳寺に向かう。 少し歩くと、休憩所らしき一角が見える。 天理トレイルセンターで、ここで休憩ができる。もう昼前になってしまっており、ここでハイキングをしている人たちが弁当を広げている。食べるものは売っておらず、弁当も持っていない我々は、とりあえず、おはぎを食べることにする。建物のスペースも広く、また無料のお茶もあり、天気さえ良ければ建物の外で食べる弁当も格別だろうと思う。 一息ついたところで、いよいよ長岳寺へ。 長岳寺は、824年(天長元年)淳和天皇の勅願により弘法大師が大和神社の神宮寺として創建された。本堂には重要文化財である、ご本尊の阿弥陀如来と両脇侍の観世音菩薩、勢至菩薩が祀られている。 寺社には珍しく、写真撮影も可能。 ここでもボランティアガイドの方が、寺の由来、仏様について説明をしてくれる。 本堂を後にし、池の周りを一周する。途中、十三重石塔がある。十三重の屋根の下に文殊菩薩が彫られている珍しい石塔。 そして本堂の対岸では、池の水面に映る本堂を眺めることができる。 また、長岳寺の門は、上層に鐘を吊った遺構があり、鐘楼門といわれ、これも重要文化財。 このほかにも、長岳寺には重要文化財があり、総数で、仏像5体、建造物4棟を数える。 池を一周したのち、山辺の道を天理へと向かった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.10.17 18:37:45
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