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カテゴリ:技術論
BaseballClinic12月号には「待ったなし!新基準バットの時代1」というタイトルがついていました。1月号が“Ⅱ”なので,2回にわたって新基準バットを特集したということです。 新基準バットは「飛ばない」とか「選手による」とか「芯に当たれば飛ぶ」であるとか「技術が必要」とか,様々な話が出ているようです。 . 同号に出ていた興味深い話を紹介します。 . 日大三高の小倉全由前監督が法政大学の五明公男元監督に聞いた話であるそうです。 「『もし相手チームに江川卓投手がいて,攻略したいと思ったら,どんなバッティング指導をしますか?』と尋ねたことがありました。すると五明先生は,『150㌔のボールを打つ練習をしたところで意味がない』と,はっきり言われました。『それなら,ゆるいボールを打って,正しいスイングを身に付けさせて,そのスイングで速いボールに対応できるように目を慣らさせていく」というのです」 小倉監督はフリー打撃で投手をマウンドの2~3㍍も前に出して投げさせたりしていたそうです。五明監督には「そういう練習をしても,ストライクが来るのか?」と言われたということです。打撃投手は速い球を投げようとするから10球のうちストライクは何球も来ないので,たまに当たっても出会い頭,自分のスイングで打っている打球ではない,それでは意味がない,と言われたそうです。 私もなるほどと思いました。しかし,私は打撃は「感覚」であり,フォームはその次のこと,というのが持論です。「眼」「タイミング」といったことが先決だと考えております。 皆さん,如何でしょうか。 . BaseballClinicに連載している「甲子園 監督の眼」という興味深い記事があります。試合の中で監督がどのような考えで試合を進めていたのかを知ることができて,とても勉強になります。 12月号は「専大松戸対東海大甲府」,昨年夏の選手権大会の試合における,持丸修一監督と村中秀人監督の談話でした。 3回裏の専大松戸の攻撃の場面,1死満塁,両チーム無得点です。ここで打者はやや浅い右飛,三塁走者は思いきって本塁へタッグアップ,好返球でしたがセーフとなり得点,というプレーでした。ここで専大松戸の二塁走者と一塁走者もタッグアップしました。二塁走者はあり得るとしても,一塁走者はハーフウェイがセオリーです。しかし専大松戸の持丸監督は 「本塁に投げるに決まっているんですから。これも決まり事。練習しています」 と語っています。 しっかり準備しているのですね。 持丸監督は 「普段は,併殺なのかバックホームなのか,決めるんですよ。併殺を取れるなら併殺,弱い当たりならバックホームとかは普通やらないんです」 専大松戸は4対3とリードしていた6回表1死満塁の場面で前進守備を敷き,遊撃手が弾き一つしかアウトを取れなかった場面があったようです。練習では,打球によって併殺かバックホームかという選択をさせていたという話でした。持丸監督はこの場面,「併殺なら併殺,本塁なら本塁」としておけばよかったと語っています。持丸監督でもこのような「迷い」があるのですね。 深い話です。如何ですか。 . 木津川俊彦 投稿は必ず氏名と居住地(またはチーム名)を記載して下さい。 匿名での投稿は個人攻撃や誹謗中傷につながるのでご理解願います。 意見を述べるなら堂々と名乗りましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.01.06 08:17:02
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