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カテゴリ:栗原市野球界の未来のために
元阪神タイガースの岩田稔投手が著した本です。なぜ「消えそうで消えないペン」という書名にしたのかは本文の中に書いてあります。自分の立ち位置を表現したようです。岩田投手が出場機会がなくなりそうでなくならない,しぶとく生き残っている,ということを「消えそうで消えないマジックペン」と表現しました。 彼は1型糖尿病を患っていました。糖尿病には1型と2型がありますが,1型は生活習慣病ではなく,そして誰にでも起こりうる病気であるそうです。完治する治療法は見つかっておらず,発症すると生涯インスリン注射を打ち続ける病気です。 この本の中で岩田投手が述べているのは自己の苦労話ではなく,1型糖尿病患者に対する理解を求める話でした。 私には野球関係の本を読んだという感覚はありませんでした。 . 岩田投手は大阪桐蔭高校の出身です。西谷浩一監督は当時,野球部の監督であっただけでなく,岩田投手の担任でもあったそうです。 彼が1型糖尿病を発症し入院した時には,西谷監督が毎日見舞いに訪れた話が書いてあります。さらにびっくりさせられたのは,西谷監督が1型糖尿病に関する勉強会にも参加していたという話でした。なかなかできることではありません。私も感銘を受けました。 . 同書には「ガリクソン賞」についても書いてあります。「ガリクソン」とは読売ジャイアンツで活躍した「ビル・ガリクソン投手」のことです。1998年に制定され,スポーツや文化,科学,芸術各部門で社会貢献した1型糖尿病患者を表彰しています。 岩田投手は2021年に表彰されました。 . 悲しい話も載っていました。 小学2年生の男の子のことです。 祈祷師を自称する男が「腹の中に死に神がいるからインスリンでは治らない」とその子の両親に伝え,両親もそれを信じてしまい,インスリン注射を止められた男の子は亡くなってしまいました。両親も藁にもすがる気持ちだったのもしれませんが,とても残念な話です。 岩田投手はこのような悲劇をなくすために啓発活動を続けているのです。 この本の最後では,同じ阪神タイガースの横田慎太郎選手,水泳の池江璃花子選手,MLBで活躍したジョン・レスター投手にも触れています。 病気を抱えるスポーツ選手への応援の気持ちが表れている貴重な本であると思います。 . . . 話は変わって 選抜高校野球大会の話です。 3月26日,グラウンドコンディションの関係で1時半頃に始まった「健大高崎対明豊」の試合は健大高崎の走塁が光りました。 1回裏の健大高崎は1死二・三塁から投捕間のバント的なゴロで三塁走者がホームイン,先制点を取りました。 さらに6回裏には,一死3塁からの二ゴロで3点目を取りました。 いずれも見事な走塁,素晴らしいスタートでした。サインは「ギャンブルスタート」に近いものだったようです。「機動破壊」です。低反発バットを使うからこそこのような攻撃が活きます。 . 第3試合に予定されていた「中央学院対宇治山田商」の試合は一夜明けての27日第1試合に変更になりました。第3試合から第1試合,午後の試合から朝の試合へ,これはコンディションを調整するのは大変です。前日まで,起床時間や練習開始時間等を第3試合であることを前提に準備してきたはずです。両チーム同じ条件であるとはいえ,チーム関係者の皆さんの苦労が想像できます。 . 木津川俊彦 投稿は必ず氏名と居住地(またはチーム名)を記載して下さい。 匿名での投稿は個人攻撃や誹謗中傷につながるのでご理解願います。 意見を述べるなら堂々と名乗りましょう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.03.27 08:31:49
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