ある古本屋を舞台にした短編の連作集。この本のような形態はとっても好き。特に仕事始めの今のように慌しい日々の合間の片時に、ちょっとづつ読みつづけるには長編は頭に入らなくて辛い。かといって短編だとイマイチ感情移入がしづらい。そんな時は短編集とはいっても、主人公が同じ、舞台が同じという本作品のようなスタイルはとってもありがたい。この本のいいところはもちろんそれだけではなく、何となく暗い話題を扱っていることも多いのに、イヤーな気分にさせないところがこの作者のいいところ。新年早々から暗い気分で本を読みたくないもんね。
しかし、つくづくこの作者は僕等の同世代代表だなー、とこの本を読んでも思った。僕に文才がもしあって、もっと感性が豊かでそして研究熱心だったら、きっと彼女のような作家を志していたと思う。真保裕一氏も同世代を感じさせる作者ではあるんだけど、宮部みゆき氏の方がより等身大の僕等の世代を代表しているように思う。さて、お次も彼女の短編集を読みますかね。
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Last updated
Mar 16, 2012 08:28:25 AM
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