テーマ:趣味の英語(406)
カテゴリ:奈良観光案内
行基菩薩が任命された勧進職(かんじんしき)というのは、大仏建立のための金品を集めるために設けられた役職で、現在で言えば資金・資材調達担当役員というところでしょうか。
この勧進職、東大寺には歴史上、二人います。初代が行基菩薩、二代目が重源上人(ちょうげんしょうにん)。行基菩薩が奈良時代の勧進職なら、重源上人は鎌倉時代の勧進職、東大寺再興の祖と言われ、平重衡の兵火によって焼失した大仏殿の再建に力を注ぎました。この重源上人も行基菩薩と同じように民衆の救済に力を注ぎ、土木事業にもすぐれていました。南河内狭山池の改修を描いた「水底の棺」(中川なをみ著、くもん出版)にも登場します。青少年向けの小説ですが、東大寺や奈良の描写もあって、大人にも懐かしいさを感じさせる、読み応えのある本です。 大仏の勧進職を英語で表現すると "a fund raiser who the construction of Great Buddha"になるそうです。"fund"は「基金、資金」、"raiser"は「(資金の)調達者」のこと。ぐっとくだけて、"financial manager"もOKだそうです。 また脱線してしまいますが、勧進と言えば、「勧進帳」って歌舞伎にあるでしょう。弁慶が安宅の関で富樫(とがし)相手に読み上げる巻物、それが勧進帳です。本当は勧進帳ではありませんが、弁慶は「東大寺の勧進僧」と名乗っているので、口上を求められたのです。この勧進は鎌倉初期、つまり重源の方です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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