片付けられない人のはなし-前編-

2020.04.05

カテゴリ：暮らし

多分、私だけではないと思う。
学校や職場ではきちんと整理整頓してるのに、家はごちゃごちゃな人。

そのギャップから、人を家に呼ぶのはかなりの決意がいる。
でも、来客があるときくらいしか片付けを頑張れない。

私はまさにこれで、実家の部屋はもちろんのこと、アパート暮らしになってからもそれは酷い有様で暮らしていました。
見えない床、さっと拭いただけではとれない埃、謎のシミ……。
もし虫が出ても逃げ放題、隠れ放題です。

元がそんなんですから、猫を飼うようになってから抜け毛で状況はさらに悪化（ごめんよ、猫）。
かわいい猫の写真が取れても背景の部屋が汚くて誰にも見せられないという悲しきダメ飼い主でした。

夫は部屋が汚くても全く気にしないタイプで、むしろ何もない部屋より、物があふれている方が落ち着くようでした。

こんな状態で何年も暮らしていると、それが当たり前になってしまうので「片付けなくちゃ」という思いも薄れていきます。なんという悪循環。

今思うと、部屋が汚いことで私は下記のストレスを感じていました。

①すぐに人を呼べない
②物が汚れる
③背景の部屋が汚くて猫や料理の写真を見せられない
④物をなくす、探すのに時間がかかる（何があるのかわからない）

ある時、ひょんなことから知人のアパートに遊びに行きました。
そこで私はものすごい衝撃を受けることになります。
これが、私とミニマリストとの出会いでしたが、後に別の記事にしようと思います。

私はミニマリストという存在を知ったのをきっかけに、本やネットで暮らしの勉強を始めました。
そして、自分の部屋、暮らし方、考え方の問題点に気づくことになります。

「暮らし方を変えよう」

私はそう決意し、行動に移すことにしました。
これが昨年末のことです。

ざっくり何をしたかというと、とにかく物を捨てました。
私は小さいころから物を捨てられない性格で、なんでもかんでも「保管」していました。
当時は「保管」したつもりでも、今思うとそれらは「無駄」で「ゴミ」でした。
勿体ないという素晴らしい言葉が、悪しき習慣になっていました。
もしかしたら必要になるかも……という不安をそのままにほったらかしていました。

その辺の具体的なお話はまた今度にするとして、６畳２間の部屋のいったいどこにあったのか？というくらい、とにかく恐ろしい量の物を捨てたのです。

物を捨てたことで、まず床が見えました。押し入れにも空きができました。
何がどこにあるか分かる。掃除もしやすい。良い事だらけです。
そしてなにより、心に余裕が生まれました。

すっきりした部屋にいると、億劫だったことがテキパキできるようになり、落ち着いてお茶を飲んだり、自分の時間も持てるようになりました。
もっと早く気付くべきだった！と思いますが、きっとこのタイミングで気づいたことに意味があるのでしょう。

部屋が片付くと、家具を変えようと思い立ちました。
今までは貰いもの、安いもの、使えれば何でも良かったのでデザインもバラバラでした。
まずカーテンを変え、ラグ、テレビ台、パソコン台……と徐々に自分が納得するものを選んで購入しました。セール品や一番安いもの、ではなく「好きなもの」を条件にしました。

その結果、今では昨年の生活が思い出せないくらい、充実した部屋になりました。
そして、家で過ごす時間が本当に有意義なものになりました(インドアに拍車がかかっています)。

私が一番驚いた自分の変化は、休みの日が待ち遠しいと思うようになったことです。
私は仕事が好きなので、休日に興味がありませんでした。
「休みが終わってしまう！」とか「まだ月曜日か……」という感覚が無かったのです。
しかし、このところ休みが非常に待ち遠しく、会社で妙にそわそわしたりしています。
どうやら休日に家で過ごす時間が楽しくて仕方ないようです。

物が片付いて自分好みの部屋に変化すると、自然と掃除をするようになりました。
そもそも私は掃除自体ではなく、その前の片付けが非常に苦手だったようです。
掃除用具も好きなものを買い揃え、今では部屋の掃除が休日の日課になりつつあります。
（当たり前と思う方もいらっしゃると思いますが、私にとってはすごい変化です）

自分の心境の変化を通して、冒頭に書かせていただいた、外ではきちんとしているのに家ではできない人、について思ったことがあるので後編に続きます。