タコ
ここ数年、足の親指の第一関節部分にタコができるようになった。丸く平べったい形のタコは爪の真下の関節部分にできていて、時々その皮を剥いたりする。しかしまた一体全体何故こんな奇態な場所にタコなどできるのであろう。スニーカが足に合わないのだろうか。しかしそれにしてはタコのできるポイントがおかしい。ずっと何となく疑問に思っていたが。ある日私が椅子に腰掛けていた時、夫がしみじみ私の足を眺めてこう言った。「足をそういう風にしていて痛くない?」最初何を言われているのか分からなかったが、私が足の指を丸め、関節部分を床につけて一見爪先立つようにしていることを言っているのだと分かった。「いや、特に痛くないけど?」「何かすごく疲れそうに見えるんだけど」「特に疲れないよ、っていうか普通にくつろいでるけどこれでも」「何だか見ていて痛そうだし疲れるし、全然くつろいでいるように見えないな」「もちろんこのまま立つなんてことはできないけどね。でも落ち着くんだよねえ」と、そのとき夫が突然叫んだ。「分かった!」その足の指のタコ、いつも座る時そうやって足の指の関節を刺激しているからじゃないか?タコがちょうど地面につくだろ?なるほど言われてみれば。試しにやってみると、なるほどタコがちょうど床に当たる。そうかあ。納得。この「関節爪先立ち」がタコの原因であることの証拠に、最近では他の足指の関節にもタコがうっすらできはじめている。足指の関節全部にタコの丸い円盤を貼り付けておくのは忸怩たるものがあるが、かといって関節爪先立ちをしないでいるのも非常に気分的に収まりが悪い。足指関節保護用の小さな座布団でも用意すべきだろうか。とにかくこのタコのせいでペディキュアが決定的に無理だということは良く分かった。いや、だからって自分がペディキュアやりたいとかいう話ではないんだけどね。