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空想世界と少しの現実

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緋褪色

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心地良い疲労感の中で眠りにつき、傍らの温もりに触れながら充足感で満たされている心。ようやく週末を迎え、溜まっていた疲労感をぐっすりと睡眠で取る。起きると朝の10時30分だった。どうやら朝から雨模様だったせいか、いつもより長くベットの中でまどろんでいたらしい。染姫は仕事に出ていた。俺の我儘に付き合って、深夜まで身体を重ねていたけれど大丈夫かな。ってか、もっと彼女の事を考えなくちゃ駄目じゃんっ!!俺っ!!きっと寝不足で勤務辛いだろう、ごめんな。妻になってからの染姫に甘えっぱなしだ。

ふぁ~!あくびをかろうじてかみ殺し、10時からのklavierの勤務に就く。メイクで隠したけれど、目の下にはうっすらとクマが出来ている。参ったなぁ、最近白雅毎晩なんだもん。こっちの身が持たないよ。
あっ、染姫さん、どうしたんです??ぼんやりしてっ!!
(。-∀-) ニヒ♪あっ!!もしかして昨日頑張っちゃったとかっ??
 
ちょっちょっとっ!!!!こっ声大きいよっ!!鳳梨君っ!!

動揺しているところを見ると、図星ってことですね!(。-∀-) ニヒ♪いいなっ!!いいなっ!!新婚は!ううっ!!(艸дo`;) (するどいっ!!)こらこらっ!!勤務中だぞ!私語は慎むのっ!!Σ(`oдО´;)あれ?ところで鳳梨君、何で店にいるの?今日のショールームでの勤務は午後からの筈だよ!それにヘッドドレスは出来上がったの?私の問いに首を横に振る。まだなんです。今日は白雅さんがいないんで、途中経過のチェック、染姫さんにお願いしようと思って呼びに来たんですよ!丹花がね、自分が試着してもいいイメージが湧かないっって騒いでますよ!染姫さんのアドバイスが欲しいってきーきーうるさいもんですから行ってやってくれませんか?その代わり俺が、染姫さんの代わりにショールームの勤務に就きますから!(´∀`*))ァ'`,、
ヘッドドレス

*゚Д゚)*゚д゚)*゚Д゚)エエエエェェェ白雅アドバイスしていったでしょ?先日のミーティングで。そうなんですけどね、【アトリエ†月布】さんの作品見て刺激を受けたらしく、丹花はこれじゃ商品として店に出せないって言い張るんですよ!彼女も職人として、人一倍拘りがありますからね!鳳梨君が笑う。そう・・・ちょっぴり嬉しいな。皆が優れた作品に感化され、それぞれ協力し合いながら作品作りに携わるなんて。それに、鳳梨君が店に出てきたのには理由があった。彼は接客がとても上手で、立居振る舞いに見惚れた固定の女性客もいるくらい。勤務の売り上げデーターを見ると、鳳梨君がショールームにいる時の売り上げが、ダントツで一位だったりするんだもの。丹花がショールームに鳳梨君を来させたのは、そんな理由を彼女も知っているから。陽気で人を褒めるのがとても上手。そしてこの容姿なんだもの、女心を捉えてしまうのでしょうね!先日のミーティングの時に、彼は構成し直したダンスを【アトリエ†月布】さんのハットを身につけて踊りを披露してくれた。踊りながら、時折見ている私達に、印象づけるようにほんの一瞬視線を交差させ、心を捉える。その視線がなんとも色っぽくて「妖艶」って言葉がぴたりと当てはまるよう!踊り終えた彼はにこやかに微笑みながら話した。

鳳梨

いかがです?構成し直したら、前よりステップは多くなったけど、俺的にはいい感じだと思うんですけどっ!!それにねっ!!このハット、凄くいいですっ!!落ちる心配をしないで踊れるって凄いですよ!リボンが付いているとはいえ、頭の形にフィットするハットって、そうそうないですもんっ!!
ハットを取りながら話す鳳梨君は、白雅に手渡しながらそう話した。一見だけでは判らない微妙なハットの内側のカーブ。【アトリエ†月布】製の作品と、klavierの作品との力量の差を感じさせた。ハットだけじゃないぜ、チョーカーだって、独特のデザインで作り手のセンスを感じさせるよ。残念ながらklavierにはこれを超えるような商品が無い。自信を持って美織が持ってきただけの事はある。白雅は右手にハット、左手にチョーカーを持ちながら私達に見せ、静かな口調でゆっくりと話し始めた。
klavierの面々

クオリティー高いですね。うちももっとレベル上げないと。うちよりも優れた作品見るとワクワクします!こう、俺ももっと頑張るぞって想いになりますよねっ!!同感ですっ!!もっと精進して、今まで以上の作品作らなくっちゃってなりますっ!!だろ?だからお前達に見せたの!klavierの面々は、それぞれ頑固で負けず嫌いだからなっ!!うちも負けられないぞっ!!今まで以上に気合入れて、作品作りに取り組んでいこうぜっ!!
おっしゃーっ!!やるぞ俺っ!!紅緒、いやに気合入ってんな~!ヮ(゚д゚)ォ!俺より意気込みを感じるぞっ!!こりゃ負けられねぇなっ!!白雅さんジャケット脱いで下さい!このチョーカー腕にも付けられそうですよ!優れた作品を見てそれぞれ感化され、更なる成長を誓い合う私達。白雅は皆を見つめて、嬉しそうに微笑を浮かべていた。持っていたハットを作業台に置き、着ていた上着を脱ぎネクタイを外す。それらをイスに丁寧に掛け、黄麻にチョーカーを左腕に付けてもらっている様子は、何だか嬉しそうに見える。私は、一連の彼らの行動をじっと見つめていた。

貴方って人の心を盛り上げるのが上手ね。だけど女心は彼でも掴めないみたい。経営者としての貴方はとても有能だと思うわ、周りに自慢したくなるほど。夫としてもきっと申し分ない。優しいし気遣ってくれるしね。それなのに満たされないのは、貴方は本心をずっと偽っていると知っているから。私を見つめる視線の先に弟を見ているんでしょ?浄瑠璃を見い出しているんでしょ?こんなに近くにいるのに、白雅の心は永遠に近いほど、私のものにならないんだね。それならばいっその事、想いを寄せてくれる紅緒君に、心を預けてしまいたいって衝動に駆られる時があるよ。私だけを見てくれる彼に、全てを委ねてしまえたならば楽なのに・・・

寄り添う

どうした?ボーっとして?白雅の問い掛けで皆が一斉に視線を注ぐ。(艸дo`;) いっいえ、何でもないです!繕うように笑う私に、熱あるのか?少し顔が赤く見えるぞ?額に手を当てて熱が無いか確かめる仕草。いいな~!丹花も好きな人にこうやってされたいな~!俺がやってあげましょうか?甘えんぼ丹花っ!!鳳梨は衆道宣言したから駄目~!堂々と振舞う白雅に、困惑した視線を注いでいる紅緒君。こんなところ君に見られたくないよ。夫である白雅としては特に意識もしていない行動なのだろうけど、今の自分にとってはヒリヒリとした痛みが心を締め付ける動作。ごめんね、紅緒君。視線を一瞬投げかけると、見つめていた視線を伏せて俯く彼。見たくなんかないよね、捉え方によっては白雅の行動は、いかにも自分の女といわんばかりだもの。熱は無いみたいだな。お前今日は先に上がれよ!いえ、大丈夫です。皆残っているのに1人だけ上がるわけにはいきません。作業もまだ残っていますし。彼に答えると少し思案して、そうか?でも無理するなよ。はい。特別扱いはされたくない。いくら経営者の妻でも、私だってklavierで働く職人の一員なんだから。

染姫さん、このハット被ってもらえませんか?着ていたジャケットを脱いで、白雅が作業台の上に置いたハットを取り上げて、紅緒君が声を掛けてきた。白って染姫さんに似合うと思うんです。私のYES,NOも聞かず、紅緒君は【アトリエ†月布】製のハットを頭に載せて、リボンを丁寧に結ぶ。明らかに、白雅に対してのあてつけに見える行動に動揺する心。不安をよそに、彼は表情に一切の動揺を見せず淡々としていた。傍らの白雅は、瞳の中に不快感を浮かべて紅緒君の動作を見つめている。他の人から見れば、私を取り合っている見えるのかな。幸い皆は作業に没頭していて、私達のやり取りには気が付いていない。ねぇ、紅緒君、君の行動は、白雅の気持ちを逆撫でするには十分過ぎるくらいだよ!

三人

リボンを結び終えた紅緒君は、傍らの白雅に向かって似合いますね、染姫さん。白雅さんもそう思いませんか!白が似合う女性っていいですよね。俺、染姫さんみたいに清楚な女性って好きなんです!ヮ(゚д゚)ォ!なっ何を言い出すのだろうっ!!紅緒君っ!!ヾ(;´Д`●)ノぁゎゎふーん!俺も染姫みたいな清楚な女は好きだぜ!だから妻にしたんだから。人の女にちょっかい掛ける暇があるなら、他に女作ればいいじゃん。お前程の容姿があるなら引く手数多だろうよっ!!生憎ですけど、引く手数多でも、女からちょっかい出されるのは嫌いなんですよ!貞淑さが無い様に感じてしまって!控えめな女性が好みなんでね!だからといって人の女に色目を使うのかよ!とんだ横恋慕男だな、お前って。俺は好きなものは好きって言っているだけですよ!たとえ婚姻を交わしていても、あくまで書類上の形式ってだけのことじゃないですか!結婚していても恋愛は自由ですよ!選ぶのは染姫さん自身だ!
ちょっとっ!!いい加減にしなさいっ!!私の剣幕に、作業中の皆も弾かれたように顔を上げるっ!!やばっ!!そんな話を此処でするのはやめてくださいっ!!此処は神聖な職場なんですからっ!!皆に聞こえないように、小さく呟いて1人部屋を出て行く。残されている二人はじっとにらみ合ったままだったけれど、皆がいる前であれ以上の諍いにはならないだろうと、廊下を歩きながら考えていた。
おーい!染姫さん~!ァヒャヒャ(ノ∀`*)ノ彡☆どうしたんですか~!自分の世界に入っちゃっていませんか~!もしもーしっ!!鳳梨君の声に我に返るっ!!いけないっ!仕事中だったっ!!ごめんごめん!途中経過のチェックするんだったわね!じゃ、鳳梨君、店お願いねっ!!ラジャーっすっ!!返事を聞くと同時にショールームを抜けて、工房へ走り出す。いけない、いけない!今日の私、ぼんやりするなんてどうかしているよ!

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Last updated  2008/05/28 05:08:18 PM
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