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空想世界と少しの現実

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緋褪色

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いいよな~!皆、日曜日で休みでさ~!ちょっぴりぼやいてしまうのは、休日出勤だから!当然平日より、土日の方が断然売り上げがいいからな、当番制なんだから仕方がねぇ。今日は妹とは別行動!もっとも、妹といっても彼女と血の繋がりがない、俺と美織。妹に対し、特別な感情を抱いているなんて、口が裂けても言えないよ!妹の美織は、一人っ子の俺を気の毒に思った父が、母と相談した上で施設から迎え入れた子なんだ。だから俺達は兄妹でも、戸籍上では血の繋がりは一切無い。

妹の美織が、白雅に想いを寄せていたと知った先日、実は俺、めちゃショックだった。白雅とは生徒会で、常に先輩後輩として仲良くやってきていたし、美織も女子高側の生徒会長として、生徒会に関わってくれていたし同じ学年だしな、彼らに交流があっても当然おかしくはない。でも過去の事とはいえ、二人しか知らない事実を知ってしまうのは苦しいもんなんだ。ぼんやり考えながら歩いていたら、前方のビジネスホテルから2人のカップルが出てきた。あーあー!いちゃこらしちゃって!(>д<;) ちょっぴり羨ましい!


いちゃこら

カップルから目を逸らし【アトリエ†月布】に向かう。今日の売上目標はいくらだろうか?今のところ俺が売り上げトップだけど、美織は僅差で二位についている!さすがに兄貴としてはこれだけは負けたくない!男ってさ、好きな人間からは凄いって想われたいだろ?俺もまさにそう!それが仕事を頑張れる理由だったりするんだ!ちょっぴり溜息をつきながら職場に向かう。その時の俺には、羨ましいと想ったカップルの女性が、まさか白雅の奥さんなんて、これっぽっちの想像すらも頭に浮かばなかった。

外の日差し結構強いし、おまけに暑いですね!ネクタイしたけれどやっぱり外そう!少し乱暴にネクタイを解き、スラックスのポケットに畳んで入れる。少しばかりの開放感、やっぱり楽だよな~!思わず呟く。ねぇ、染姫さん、本当に一人で鳳梨さんの所に行くんですか?尋ねる俺に
行くよ!紅緒君とは此処でさよならよ!先手打たないとね!状況によっては貴方と私の関係も、鳳梨君に悟られてしまうけれど、そうなってしまったらごめんね。

項垂れる染姫さんに首を左右に振って答える。俺の事は気にしないで!鳳梨さんにはちょっぴり申し訳ないけれど、染姫さんが家に帰った後、白雅さんから何かされる方がよっぽど嫌ですよっ!!もしも貴女の腕に、更に傷がつくような出来事があったなら俺、白雅さんを殴りますからねっ!!まあまあ!そうならないようにする為の、口裏合わせなんだから!宥める私。部屋を出る前に、紅緒君には外に出たらすぐにさよならすると伝えてあった。だって、誰に見られているか解らないんだもの!
じゃ、紅緒君!バイバイ!あっさりとしているよね。でも、今の私達はそうじゃなくちゃいけない関係。ごめんね、紅緒君・・・

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そっけないくらいに、別れの言葉を告げて立ち去る染姫さんの背中を見つめる。とにかく白雅さんには知られないようにしないと!関係を知ったら白雅さんからどんな事をされるのか解らないんだもの。今の俺には、彼女の計画が上手くいく様に願うしか出来ない。鳳梨さん、マジ、すみません!これも想い人が、パートナーから酷い仕打ちをされない為の計画です。貴方の想いを利用する俺達を許してください・・・

ええと、鳳梨君の自宅は、確か港に近い高級住宅地の中にあると聞いていた。俺んちですか?通称、白亜の御殿なんて言われています!ア-ヒャヒャヒャ。・゚・(壺ノ∀`)ノシ☆バンバンバン母親が城みたいな家に住みたいって言うんで、親父が頑張って建てた家なんですよ!息子の俺も給料の中からいくらか払っているんです。もう、成人ですからね!住まわせてもらっている以上、少しは金入れないと!ァ'`,、'`,、(ノ∀`*)'`,、'`,、偉いんだね!鳳梨君!まだ21歳なのに。紅緒君と関係を持つかもしれない予感がした私は、前以って鳳梨君と話をしていた。さすがに個人のデーターは、白雅以外誰にも見ることが出来ないんですもの、個人で探り出すしかなかった。私の思惑なんて全く知らずに、鳳梨君は住所こそ言わなかったけれど、キーワードになる言葉を口にした。「白亜の御殿」ね・・・此処から住宅地へはタクシーで向かってみよう!そのほうが探すより手っ取り早いわ!そのように考え、駅前のタクシー乗り場から乗車した。

すみません、「白亜の御殿」と言われている、高級住宅地にある個人のお宅なんですけれど、ご存知ですか?行き先を問われた私は運転手に問い掛けてみる。すると「白亜の御殿」?・・・ああ!白亜ダンススクールねっ!!そうそう!あそこは通称「白亜の御殿」って言われているんだよ!そちらが目的地で?えぇ!お願いします!白亜ダンススクール。知らなかった。鳳梨君がソーシャルダンスやっているのは、どなたかの影響なのかしら?俯いて考えていると運転手が声を掛けてくる。

お客さんもダンス始めるんですか?あそこはね、老若男女全ての人が楽しく踊れるようにと、レベルに合わせたレッスンしてくれるそうですよ!教えて下さるのは大先生と三人の娘さんなんです!実は私の妻も通っていましてね~!還暦を過ぎても何か一つでも趣味があると、人は華やぐものだと妻を通して知りましたよ!そうそう!今日は記念公演が行われるらしいですよ!場所は聞いていませんが、妻が見に行くと言っていましたね。年配の運転手の言葉に同意をする。そうですね。人は打ち込めるものがあると、それは生きていく上で、多くの楽しみを与えてくれますから。

饒舌に話す運転手の言葉で、どうやら鳳梨君のお母さんが、ダンスの先生を務めているらしいと察した。それで彼もソーシャルダンスを・・・成る程。それに今日は、記念公演するんだ・・・考えていると不意に運転手があ、お客さん!見えてきましたよ!あそこが白亜ダンススクールです!大きいでしょう?まさに「白亜の御殿」の名にふさわしいですよ!前方を指差す運転手。その方向を見つめると、確かに全てが白で彩られたお城のようなシンメトリーの建物!少し驚いて言葉が出なかった!鳳梨君ってこんな素敵なところに住んでいるんだ!女性なら一度は憧れるような白亜のお城!この中で皆優雅にダンスを踊っているのだろうか!

運転手さん!ありがとうございます。目の前ではなくこの場所で止めて下さい。あまりに素敵な建物なんですもの!遠くから写真を撮ってみたいわ!私のこの言葉に、運転手は何の疑いもなくタクシーを停車させた。出来る事なら訪問は避けて、彼が自宅から出てきたところで、話が出来たならいいと考えていたからだ。ただ、そう簡単に上手くはいかないだろうとも、タクシーを見送った後想っていた。

白雅さん、今日時間ありますか?俺の母親が駅前のホールで公演するんですけど、良かったら一緒に見に行ってもらえませんか?散々迷った挙句、俺から彼に電話を掛けてみた。ん・・・どうすっかな・・・鳳梨の母さんってソーシャルダンスの先生だったよな。駅前のホールってクリエイトホールだろ?随分大きいホールで公演するんだな!ヮ(゚д゚)ォ!ダンス教室開いて20年の節目なんです。なので少し大きいホールで、記念公演をするって言うんですけれど、俺だけ今のところダンスに関わっていないし、親父は出張ですし母親の公演とはいえ、一人で行くのは何となく嫌で。

んで、俺を誘ったと?はい。駄目・・・ですか・・ね・・無理か。染姫さんもいることですし。せっかくの日曜日ですもんね、予定はいっていますよね?ん・・・いや、別に。じゃ行くよ!せっかくのお誘いだからな!俺も気分転換したかったところだ!ほっ!本当ですかっ!!一気に気持ちが天にまで舞い上がってしまいそうっ!!あっじゃぁ、俺、白雅さんちまで歩いて行きます!クリエイトホール駐車場少ないし、他に停める所も無いんで。9時30分くらいまでには伺いますっ!!(´∀`*))ァ'`,、 公演11時開演なんで一緒に朝飯食いませんか?

解った。まだ飯食っていなかったし、じゃそうしよう!んじゃ、また後でな!白雅さんが電話を切るのを待ってゆっくりと受話器を戻した。(ノ*´I`)ノ<嬉嬉嬉嬉嬉嬉嬉嬉 白雅さんとデートだっ!!しかも一緒に朝飯もっ!!ヾ(*´∀`*)ノ゛キャッキャッこんなにラッキーでいいのかな??電話越しに鳳梨の話し方で、嬉々とした様子が伝わってきた。一方の俺は染姫の一件でイライラしっぱなし!まだ帰ってこないと、イライラしながら何度も時計を見つめるのが、馬鹿馬鹿しくなってしまっていた。それだったら鳳梨と一緒に、優雅にダンスを見て癒される方が余程良い。鳳梨といる時間はまぁ楽しいしな。でも今の俺って、他人の気持ちを利用して本心を誤魔化してばかりだ。俺が本当に欲しいもの、触れたいものは自分が嫌っていうほど解っている筈なのに。あーあ、まさに自己嫌悪だよ・・・手を見つめて深く溜息をつく・・・

白雅

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Last updated  2008/07/01 03:24:31 PM
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