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空想世界と少しの現実

空想世界と少しの現実

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緋褪色

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「白亜の御殿」から見えない死角の影に身体を潜ませて、時折御殿の様子を確認する。あーあ、私って本当に酷いよね。自分のアリバイの為に待ち伏せまでして、白雅に想いを寄せている鳳梨君の気持ちを利用しようとしているんだから。でも、もう決めたの。そして迷いもない。白雅が離婚を切り出したのだから応じるわ!自分に有利になるように、自身にかかる負担は最低限、彼にかかる負担が大きくなるようにしなければならない。

気持ちが離れてしまっているのに、私に子供を望む為の行為を我慢しろなんてあんまりよ。貴方の想い人浄瑠璃が男だから、子供を授かる事は不可能。いくら惹かれてしまったとはいえ、白雅と関係を持つのは、もっと彼を知ってからでも遅くなかったのに。馬鹿ね・・・ううん!大馬鹿よ私・・・弟の代わりじゃなく一人の女性として、私自身だけを見つめて欲しかった。白雅、貴方を心から好きだった分、余計に許せそうにないの。次こそ想い通りの幸せを掴みたい、紅緒君と共に。ぼんやりと考えていたら「白亜の御殿」の方から金属音がした!こっそりとその方角を覗いてみると、鳳梨君が入り口の門を開いて出てくるところだった。

鳳梨

!!ラッキー1人だわっ!!私の側を通り過ぎた時に声を掛けよう!少々強引だけどこれでいい!ゆったりと優雅に歩く様は、ダンスリハーサルに付き合った後に感じた印象となんら変わっていない。目を伏せながらも何事を考えているのか、微笑を湛えて歩く鳳梨君。嬉しい出来事でも待ち受けているのかしら。今、私の横を通り過ぎた、もう少し離れたら声を掛けよう。建物の影から出るタイミングを推し量り始めたその時、

鳳梨坊ちゃま~!その声に驚いた様子で振り返る鳳梨君!私は見つからないように、慌てて建物の影に深く身を隠す。

どうしたの?寧庵さん??俺、忘れ物か何かした?いえいえ!違いますよ!坊ちゃまが外出されるというので、ばあも買い物がございますので、ついて行こうと思ったのでございます。そうなの?じゃ、一緒にいこうか!(´∀`*))ァ'`,、 でも寧庵さん、外で坊っちゃんと呼ぶのはさすがに照れくさいから止めようよ~!。゚(゚ノ∀`゚)゚。ァヒャヒャもう成人なんだから~!あらまっ!!何を仰いますかっ!!ばあにとっては、鳳梨坊ちゃまは幾つになられても坊ちゃまですよっ!!会話をしながら、彼らは仲良く肩を並べて歩き出す。*゚Д゚)*゚д゚)*゚Д゚)エエエエェェェ坊っちゃん??鳳梨君が??・・・鳳梨君って・・・・・

実はお坊っちゃんなんだ~!(゚Д゚;)しかも寧庵さんと呼んだ年配の女性は自らをばあって呼んだしっ!!ヮ(゚д゚)ォ!んもうっ!!ちょっとっ!!そんな事はどうでもいいのよっ!!人と一緒じゃ声が掛けられないじゃないっ!!Σ(`oдО´;)悪巧みだからきっと何かが邪魔をしているのかもっ!!仕方ないっ!!作戦がちょっと変わるけれど、この2人の後をつけさせてもらうわよっ!!

お風呂の中で彼女に丁寧にマッサージをしてもらい、身体の疲れは大分楽になっていた。風呂から上がると部屋には一人の男性がいて、Sarraute(サロート)さんと僕に丁寧に頭を下げておはようございます。Sarraute様、浄瑠璃様と深々と挨拶をする。

Jolivet 

私のマネージャーJolivet (ジョリウ゛ェ)よ!気にしないでいいわ!事も無げに彼女は言い、男性も特に表情も変えず普通に振舞う。既に大理石のテーブルには、彼によって朝食の準備が整えられていた。
ねぇ、Daladier(ダラディエ)breakfastが終わったら出かけましょうか!私達の過去を振り返る為に!まず最初は2人で港町を歩きましょう!夜には私達が出逢った船に行って、そして今日はそちらに泊るのよ!さすがにパーティーはないけれどね!((藁´∀`)) えぇ!Sarrauteがお望みならば、どこでも付き合いますよ!紅茶を一口含み答えると、少女のような無邪気な微笑で見つめられる。バスローブを纏い、同じBVLGARIのBLACKをつけて、対面のSarrauteさんを見つめながらbreakfastを取っている僕。何だか居心地が悪い。だっていつもだったらバトラーとして、スイートにお泊りのお客様に給仕する側なんだもの。タウンズウェルのサービスに不満がある訳ではないのよ!浄瑠璃にも気兼ねなく私との時間を過ごして欲しかったし、ましてや同僚の人間に見られたら、貴方の立場が悪くなってしまうもの。

タウンズウェルのバトラーサービスを彼女は辞退し、自分のマネージャーにバトラー役を任せた理由を、僕の身体をマッサージしながら少し申し訳なさそうに話していた。この男性の歳は幾つくらいなのだろうか?僕が見る限り、この男性のマネージャーは、明かにバトラーの訓練を受けている身のこなし。でもそれだけじゃないな、この男性の役職はバトラー以上の役職があるに違いない!それに、上着の両襟に光るあの紋章は・・・彼が下がったタイミングを見計らってヒソヒソ声で尋ねてみる。ねぇSarraute、君のマネージャーはバトラーとしての訓練を受けているでしょ?
あら、さすがに気がつくのも早いわね!その通りよ!JolivetはDaladierが長年お世話になってきた人なの。Jolivet!どうやら浄瑠璃は貴方に興味を持ったみたいよ!こちらに来て彼にご挨拶して頂戴!それから此処に滞在している間は、彼は主であり、夫Daladierなのですからそのつもりでいてね!

はい。かしこまりました。少し低い声で返答をして歩みを進め、テーブルを挟んだ、Sarrauteさんと僕のちょうど中間の位置に彼は立ち止まった。ゆっくりと一礼をして僕に微笑みかける表情は、笑みは柔和でもどこか警戒心が漂う。Daladier様、改めましておはようございます。それ以上言葉を発さず、涼しげな目元が僕をじっと見つめてくる。それは無言の非難のように想えた。ちょっと、Jolivet!彼にあからさまな態度とらないで頂戴!貴方の個人的感情は此処では一切出さないで!その紋章に恥じない振る舞いをなさいっ!!
SarrauteさんがJolivetさんへ、苛立ったように声を荒げる!うぁっ!!Sarrauteさんっ!!随分はっきり言うっ!!2人の顔を交互に見つめ、おろおろと視線を泳がしている僕!あっあのっ!!Jolivet・・・さん・・・Jolivetで結構です!Daladier様。貴方は私の主なのですから。じゃ、Jolivet、君に質問があるんだけど、答えてもらえるかな?僕が、主Daladierさんを装うのが気に入らないのだろう。見つめる視線は実に刺々しく、口調も非難めいていた。どうぞご質問を。何なりとお答え致します。

ありがとう!マネージャーと伺ったけれど、君の両襟にはクロスキーの紋章がついている。レ・クレドールの会員なんだね!つまり君はコンシェルジュって事だ!えぇ、その通りです。パリのリッツホテルに在籍していた間に正会員になりました。少し誇らしげに話すのは当然だろう。誰もがこの会員になれるわけではないのだから。ホテルマンなら誰しも一度は憧れるコンシェルジュ。レ・クレドールの正会員だけつける事を許された、黄金の鍵が交差した紋章クロスキーが、太陽光に反射して眩く光を放っていた。

Daladier、Jolivetはね貴方にぞっこんなのよ!Daladierに最高のおもてなしをしたくて、リッツのGMの話も蹴って、専属コンシェルジュになってしまったの。こんなに畏まった顔しているけれど、素はかなりの毒舌だから気をつけてね!(・∀・)ニャニャSarraute様、今此処でそんな話をしなくてもいいじゃありませんか!プライバシーの侵害です! (>д<;) なんなんだっ!!この2人はっ!!DaladierさんってSarrauteさんという奥さんがいて、愛人がいて、尚且つ専属コンシェルジュがいてっ!!皆がそれぞれ彼に想いを寄せているって事なのか??困惑して首を傾げる僕に、2人が視線を注いでいる。

Sarraute様が変な事を仰るから、若い主が困っていらっしゃるではありませんか!Daladier様、私は想いを寄せておりますが、肉体関係は一切ございませんっ!!れっきとしたプラトニックな関係ですので、誤解をなさらないようにお願い致しますっ!!そうなのよ!Jolivetはずっと貴方に片思いしたまんまなの!ダーリンは何故か、Jolivetには手を出さなかったのよ!可哀想にね!Jolivetっ!!(´∀`*))ァ'`,、 ほっといて下さいっ!!Σ(`oдО´;)プラトニックな関係でいいんですっ!!私は彼の側に居られるだけで十分満足なんですからっ!!

またまた~!無理しちゃってっ!!Jolivetって意地っ張りよねっ!!ァヒャヒャ(ノ∀`*)ノ彡☆この2人は互いをライバル視して、牽制し合っているのかな。言葉の応酬の数々に唖然として交互に見つめている。不快感を抱かないのは、互いがさっぱりとした物言いをするからなのだろうか?見ていて楽しくなってくるほどだ!Jolivetとはね、いっつもこんな感じなの!ァヒャヒャ(ノ∀`*)ノ彡☆お互いDaladierを好きな者同士で、長く一緒にいるから家族みたいな存在なのよ!彼も言いたい事をがんがん言うし私もそう!性差を超えた親友みたいな存在とも言えるわね!そうですね。Sarraute様のように、言いたい事をはっきり口にするタイプは意志の疎通が楽でいいです!Sarraute様は正妻としてDaladier様をお守りするお立場で、私は専属コンシェルジュとして主に仕える立場なのです。彼はそこまで話すと胸のポケットから手帳を取り出し、挟んであった一枚の写真を大切そうに僕に手渡してくれた。
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彼を支えるパートナー達へ





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Last updated  2008/07/02 02:15:51 AM
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