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テーマ:囲碁全般(745)
カテゴリ:囲碁全般
一木喜徳朗の話 一木喜徳朗がまだ東京帝国大学の学生であったとき、仲間から碁を教わり、いたくその魅力にとりつかれました。凝り性の一木は、仲間の知らぬうちに、もっと強くなってみんなを驚かしてやろうと思い、ある日、一人で芝桜川町の方円社をたずねました。 玄関を入ってのぞいてみると、みんな碁を打っています。アゴひげの長い老人が水っぱなをたらさんばかりにして考えふけっているかと思うと、まだ小僧っ子のくせに思案げに首をひねっているのもいます。ただ、どれをみても自分よりは碁は強そうな連中ばかりですから、はいったものかどうか、さすがの一木も躊躇していますと、正面一番奥に陣取った男が 「あなた、もし」 と声をかけました。見ると物騒な顔で、体つきの頑丈な中年の紳士。一木の顔を見て 「あなた、碁を打ちにこられたのですな。よろしかったらお相手しましょう。学生さんのようですが、お名前は」 「一木といいます、あなたは」 「わしは厳埼健造です」 一木はびっくりした。碁をはじめたばかりでも、天下の厳埼の名は鳴り響いていたのです。 まずお定まりの星目置いて、恐る恐る打ち始めました。 ニ、三十手も進んだところ、なぜか健造、石を下さなくなりました。だまって考え込んでいます。 一木はわけがわからないまま、天下の大棋客厳埼がかくも考えて頭を悩ませているのを見ると、さては我輩の碁も捨てたものではないのかな、内心少々うぬぼれてほくそえんでいますと、やがて健造さっさと石を崩し始めました。あっけにとられて、きょとんとしている一木に、健造いきなり 「貴公はだめだ。とうてい見込みが無い。見込みの無いことに骨を折ってもなんにもならんから、今日限り碁をやめなさい」 と頭ごなしに叱りつけました。 さあ、つづきが気になりますね この後どうなってしまうのか 一木青年の運命や如何に!! つづきは本家HP 囲碁の中にあります 次回・予告 碁石の精の話 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/08/12 05:05:51 PM
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