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カテゴリ:考え事
ってどうなんだろう。 漫画やアニメ、それこそ実写の映画でさえも、悪者の常套句と化している「世界征服」なのだが、これは実際のところどうなのだろうか? 悪者は無法を主としている。人々を襲ったり、金品を略奪することを仕事であるかのようにしている。そんな悪者が「世界征服」という1つの目的に向かって手を取り合っているのはまこと微笑ましいものではないか。ふとそう思う。悪者の常套句として用いられる「世界征服」は果たして合理的な世界なのだろうか、ちょっと考察してみるとしよう。 例えば正義と悪が対立している世界があったとして、その力は拮抗しているものとしよう。テレビやアニメでは拮抗しながらも、必ず正義の方が強かったりする。だから最終話近くでは悪が滅びることになる。だがしかし、もしも悪の力が強かったら…つまりテレビやアニメで悪が目標にしている世界征服への道が視界良好だとしたら、どうなるのか。 まず悪の組織の世界征服の道を邪魔しようとする正義の味方、漫画やアニメでヒーローとされる人物は最初に駆逐されることになる。世界各地で出没する悪に対して日々出撃するヒーロー、休暇も有休も使えない。そのうち休みも貰えず疲弊して…精神的に病んでくる。通院生活になるが、悪の勢いはおさまらない。そうして正義の味方は戦えなくなる。漫画やアニメでいうところの正義の味方が早々にいなくなるのだ。 そうなると、次に悪は自分達の世界制服の思想に反対する人物を消そうとする。悪の思想に共感する人も少なからずいようが、世の中の殆どの人は世界征服なんて望んではいない。となると、そういう反対する人物は正義の味方という特殊能力を用いる人物さえやっつけた力をもって反対勢力を駆逐しようとする。当然ながら一般市民はなす術なくやられることになる。また新たな正義の味方が組織されるかもしれないが、最初の正義の味方が戦っていた状態とはバックボーンが違う。最新鋭の技術を以って生み出された正義の味方がやられたのだから、勢力拡大を続ける悪には勝てるはずもないだろう。よって、世界征服の思想に反対する者、それに組するもの、そういう人物は消えていく。 結果的に、そう時間も掛からず世界は悪の組織で埋め尽くされることになる。恐らくその頃には、人口は現在のものの3割ほどに減少している頃だろう。そしてその全てが悪の組織に組する人物ということになる。事実上の世界征服だ。 しかしこれでは終わらない。人とはかくも欲深き生き物だ。組織としての世界征服が達成されたとしても、組織内で派閥が形成され、少しでも自分の地位を向上しようという動きが出来てくる。外から組織を潰そうという動きがないのだから、必然的に内紛が生まれる。仲間割れの発生だ。 そうなってくると、力や財力の強い者が弱い者を淘汰することになる。悪の組織の中でも、力の強い者だけが生き残り、組織の人口も少なくなる。そうして力の強い者だけが残るが、それでも争いは消えない。自分こそナンバーワンだという考えは争う相手がいるからこそ消えないものだ。 そうして事実上組織の中でも最強の1人が決まることになる。もともとの性質が悪であり、正攻法などとらないことを思うと、邪魔者を消すということなんて平気でするだろう。強い者が弱い者を消し、そしてどんどん数が少なくなっていく。最終的には相手のいなくなる1人という状況が形成される。 つまり、たった1人になってしまった状態が真の世界征服だということになる。確かに世の中に自分1人しかいない世界だったら、世の中の全てが自分のものということになるし、世界征服の状態としては相応しいものになっているだろう。しかし… 一体そこから何が生まれるのか? 世界征服なんて、隷属させる相手がいるからこそ意味があることだ。しかし邪魔者を野放しにしておくと、最初は力が弱くても数を束ねて強力な組織となる可能性がある。そういう芽は早くに摘んでおかなければならない。しかしそうすることによって、世界征服をする「目的」を失うことになるのだ。つまり性か征服とは突き詰めれば矛盾を包括している目的なのだ。 そんなものよりも、正義の味方をやっつけるだけの技術力を世の中の為になるものを開発する方向に向けて、社会的に認知される方がよっぽど建設的だろう。世の中に便利な技術や力を誇示した方が賞賛されることもあるだろう。自分とは相容れないものを掃討するのではなく、その者から賞賛され平伏させる方がよっぽど気持ちのいいことではないだろうか? とは言っても、漫画やアニメで悪の組織が正義の味方に向かって 「我々の目的は…圧倒的な技術力で社会的に不動の地位を獲得することだ!!!」 と言っても、多分何も始まらない。戦いは起きないだろう。もしかしたら、正義の味方もその考え方に賛同して悪の組織入りをするかもしれない。まぁそうなったらその組織は「悪」でもなんでもないのだが(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 11, 2009 01:39:30 PM
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