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伊奈利短歌集 ① トンカツ未来 伊奈利短歌 小説…伏見稲荷大社の物語 小説西寺物語 小説盆栽物語 小説鯖街道 小説老人と性 音川伊奈利

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2007年07月17日
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カテゴリ:ブログ小説
★~自己破産・衝撃の告白…15話

 
 「女性が本社ビルから飛び降り自殺をしたのが八時四十五分、尾上次長が十三時四十分。このわずか五時間の短い時間の間に尾上次長を死に追いやった理由はなんです」
「昼のNHKのテレビのニュースでこの自殺が大きく報道され続いて東京の主婦など三名が同じ理由で自殺された。役員会を開催したのは女性社員が自殺した直後で十一時にはカード発行の中止を決めて尾上君には金融企画部長の内定を取り消していました。役員会議室から尾上君が退場したのが十三時ごろ、つまり四時間は私と一緒にいましたが、彼はまったく別のことを考えているようでした」
「しかし、しかしですね、金融企画部長の内定取り消しだけの理由で自殺するなんてことはありえないでしょう」
「そうなんです。ただ今日は尾上次長の晴れの舞台の記者会見の割りには朝から元気がなく疲れきっていたようです」
「朝からというのは、女性社員の自殺の前からですか?」
「はい、今日は定例の朝食会で七時に尾上次長を自宅に迎えに行った運転手の話しでは、昨夜は一睡もしていないといっていたそうです」
「尾上次長は、なにか別の悩みでもあったのですか?」
 この質問には中塚社長に代わって堀内部長が答えている。
「私は、ここ半年ほどこのカード発行のために尾上君とは四六時中行動を共にしていました。昨日の夜も九時まで一緒で彼は元気よくタクシーで家に帰りました」
「それでは昨夜の夜になにかあったというのですか?」
「さあ~それはまったくわかりません」

 テレビを病室で見ていた理恵がポツリと「私たちって悪女なの」とつぶやくと美雪は、
「そらそうよ~理恵もあや子もまだ二十五歳、私は二十三歳、普通ならまだ花嫁修業の真っ最中よ、それが三人ともカード地獄に援助交際、売春、妊娠に流産、あや子は自殺に私はフランクフルト狂い、やっていないのは薬とエイズと殺人だけよ…私なんて竜一さんを殺したといわれても…」
「そうね…美雪」
「そ、そうねってなによ~理恵!」
 産婦人科の待合室でフラワー本社の記者会見をテレビを見ていた広瀬は記者会見が終わると同時に理恵の病室に現れていた。広瀬は二時間ほどの前の態度からは想像できない笑顔で堀内部長と田口部長の会話を聞かせてから命令口調で、
「前田君は医師とも相談したが二十七日まで入院して二十八日退院、その後一ヶ月の治療の診断をされているから自宅から通院、その後完治したら退職もよし職場復帰もよし、ただこの場合は職場の配置の配置の希望も聞くから遠慮しないでほしい。奥本君は、二十七日までこの病院に通って前田君を励ましてほしい。そして二十八日に経理部長の部屋に来てほしい、その時に尾上君の遺言通りに君はコンピューター室副室長に内定される」と事務的な話しの後、これは私の個人的な意見だと前置きしながら、
「二十三日の午前に藤本君の葬儀が山科の自宅で、尾上次長の葬儀も同じ日の午後長岡京の自宅で行われるが、会社からは社長と堀内部長が弔問の予定をしている。当然マスコミも団体で押しかけてくるのを総務としては予想している。もし君がこの葬儀に参列をするなら会社はマスコミ対策を考えなければならない…つまり、言いにくいが…」
「はい、理恵はまだこうして入院中で…それに私も…尾上次長とは正式にはまだ婚約もしていないし…」
「そ、そうか…わかった恩にきる…」

    「追い込み」

 美雪は、夜は理恵の母親に監視と看護を任せて向日市のマンションまでJR向日町駅から歩いていたが、ここ一年ほどタクシーばかりに乗っていたのでやけに家が遠くに感じていた。そのマンションの前に国産の高級車が止まっている窓からはタバコの煙の匂いが、その匂いと同時にパンチパーマの男が「奥本美雪」か?と声を掛けられていた。
 「はい…」
「青木ファイナンスの者です。藤本あや子が自殺したから…ちょっと部屋におじゃましていいですか?」
「そんなん…こまります…」
というと同時に、もう一人の男が大声で、
「おぃ!ネエチャン!人に金を借りといて家にも上がらせないとはどういことやねん!」
「そ、そんな大声で困ります、やめてください」
「なにいってんのや!これは地声や~地声!」
「わかりました」と観念した美雪は男二人を狭い部屋に入れた、男は、
「藤本あや子が失踪したり死亡した場合は、連帯保証人のお前と前田理恵が即一回払いで支払うと特約条項があるから今すぐ二人で払ってもらいましょう」
「急に言われても、それに理恵も入院しているし…」
「そんなんそっちの勝ってや!払わなかったらフラワーの会社に行って給料やボーナスを差し押さえするだけや」といいながらパンチパーマの男は美雪のミニスカートの中に手を入れてきた、
「いやです!やめてください」
「なにもただやいうてへん、どや!一発一万円はらうで…」
「そんなん…」
「なんや美雪!身体を売るのもイヤヤ!金を払うのもイヤヤ!っていったいどないすんねん!」
「で、ですから理恵とも相談して…」
「そ、そうか…わかった。ほな、二十七日の夜二人でうちの事務所に来てや~その時に今後の支払い計画を書いてもらうから、それとその時今月分の利息分の三万三千四百円も持ってきてや」
 美雪はしかたがなくその男から地図が書いてある名刺を受け取っていた。その翌日から美雪は理恵の相談相手として病院に出勤していた。そして美雪は理恵に昨夜の話しをしている。理恵は引き出しの中から母親が置いていった二十万円の中から四万円を渡して、これを青木ファイナンスに利息として払ってというので美雪が、
「そんなん、私も連帯保証人だから半分だすわ…」
「違うのこの百万円はあや子と半分づつ借りているの、それであのママの弟の大田が二名保証人がいるというので美雪を騙して判子を押させたの、だからこのお金は私の責任なの。それで今日お母さんに借金は全部でいくらあると聞かれたので、これも入れて四百五十万円と…」
「それで、お父様は…」
「お母様が説得すると…」
 二十三日のテレビはワイドショーばかりかNHKまで尾上次長とあや子の葬儀まで中継していた。そのNHKでは「どうなるサラ金・クレジット被害」のタイトルで特別番組を組んでいる。日本中から消費者金融の専門家が集められ、その先生方は結局自己管理が大事で「ご利用は計画的に、借り過ぎに注意しましょう」と抽象的な言葉でお茶を濁していたから、美雪も理恵もテレビに向かって「貸すほうが悪い」と叫んでいた。

 二十七日の午後七時過ぎ、理恵から預かった利息の四万円を持って四条大宮の青木ファイナンスを訪れていた。その事務所は十一階建てのマンションの最上階にあり美雪は応接室に通されていた。
「前田さんは入院しています。とりあえず今日は今月分の利息を持ってきましたから領収書をお願いします」
「おいおい、それじゃ~約束が違う。本来なら今日百万円を持って来てもらはなくては…」
「いえ、三、四ヶ月したら前田さんがまとめて返済するといっていましたから今日はこれで…」
「おぃ、ネィチャン!可愛い顔をして度胸がついたじゃないか、こんなところに一人で来るだけでもたいした者だが、はい、そうですかという訳にはいかない」
「…………」
「そうだな~念書を書いてもらう。今お前がいった四ヵ月後、つまり四月二十七日までに前田理恵が百万円を支払わなかったら場合には、青木ファイナンス経営のコンパニオンクラブ「夢一夜」に勤めてその給金で返済しますと書くならそれでも良い」
「そんなん、人身売買じゃないの」
「なに!それなら特約通り百万円揃えてもらうまで帰せへんで…」というと同時に奥から上半身裸で赤や青の刺青をした男が三名でてきた、
「親分、お先にいただきます」というなり美雪の目の前でズボンとパンツを同時に下げていた。
 目の前のペニスが一瞬にギンギンいきり立ちそれを美雪の顔に押し付けてきたから美雪は大声で「警察を呼びます!」と携帯電話をバックから出すと、その電話を「バシッ!」払われてもう一人の男の足で踏み潰されていた。


★~この↓には、ブログ小説「恋のブランコ…シリーズ」7話があります。これもぜひお読みください~♪

★~ケータイのカメラで撮った写真掲示板は、
http://blue.ap.teacup.com/inari/

★~昨今、フリーペーパーという無料の新聞や雑誌が多く発行されています。これも一つの作品の発表の場と考えています。もし、よろしければ私のつたない作品(小説・コラム・エッセイ)等々を原稿料無料で掲載させていただければ幸いです。尚、ご連絡はメールにてお願いします。(音川さくら)
kyotoinari@ex.biwa.ne.jp






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最終更新日  2007年07月17日 09時03分36秒
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