小野篁忌
12月23日は引接寺(千本閻魔堂)にて「小野篁忌」が執り行われます。昼間は朝廷の官僚として仕え、夜は閻魔王庁で閻魔王の裁判の補佐をしていたというこの人物は、閻魔王を本尊とする千本閻魔堂を創建したとも伝わります。昼間の仕事を終えて、夜になると、東山の珍皇寺(六道珍皇寺)にある井戸から、冥府に向かい、朝になると嵯峨の福勝寺(現在は清凉寺境内の薬師寺)の井戸から戻ってきたと伝えられます。まさに現世と冥府を行ったり、来たりできる超能力者であったわけです。 さてその篁卿の命日が12月23日。 この日、千本閻魔堂では午前10時に法要が行われ、修験者(山伏)によって護摩が焚かれ、その後「餅つき」が行われます。聞いた話によりますと、黄粉や餡、大根おろしなどバラエテイに富んだ餅が振る舞われ、勿論御本尊の閻魔さんには鏡餅として供えられ、近所のお地蔵さんの小堂にも可愛らしくお供えされるとのこと。以前から御住職様からお誘いを受けながら一度もお邪魔したことがないのです。残念ながら本日からしばし京都を留守にしますので、今年もまた御縁がなさそうです。西陣界隈に残る庶民の信仰の一端を垣間見るべく来年こそは是非お参りしたいと思います。興味のある方は、どうぞどうぞお参りください。結構長い時間餅つきは続けられるそうで、後半は飛び入りの参加もさせて貰えるようですよ。