2020/12/29(火)06:19
ネット環境がない家庭に貸し出すモバイルWi-Fiルーター
GIGAスクール構想(タブレット端末児童生徒1人1台)がそろそろあちこちで実現してまいりました。
なにしろコロナの感染者数が急増しており、再度の一斉休校がもしかしたらあるかもしれない・・・という状況です。
ただ、実現にあたっては、かなりいろいろなハードルを越えなければなりません。
特に、「タブレット端末を持ち帰って家でも使わせる」ということについては、家庭の環境がバラバラなだけに、どこまで公費でサポートするのか、という課題があります。
まず考えられるのは、「モバイルWi-Fiルーターを貸し出すが、通信料は家庭負担」というものでしょうか。
とはいえ、ネット環境がない家庭では、当然ながら「モバイルWi-Fiルーター」を初めて使うというところがほとんどでしょう。かく言う僕も、今年になって初めて使いました。
使ってみると便利なものではありますが、最初の設定や準備はけっこう大変でした。
そのあたりの体験談を書こうかと思います。
まず、「モバイルWi-Fiルーター」の種類について。
とにかく種類がいっぱい出てます。(笑)
今回は「ネット環境がない家庭に貸し出すモバイルWi-Fiルーター」を自治体担当者に教えていただき、僕が主催するICT研究チームの予算で購入しました。
勤務市の場合は、これです。
「富士ソフト +F FS030W FS030WMB1 WiFiルーター」
(リンク先現在価格12,399円)
リンク先の商品情報を見てもらうと、「SIMフリー(micro-SIM)」と書かれています。
この意味は、
「通信用のSIMカードをどこの会社のでもいいので用意してね。
SIMカードの種類はmicro-SIMっていうちっちゃいやつだよ!」です。
micro-SIMのSIMカードを別で買わないと、通信できません。
まずこの時点で、つまずく人がありそうです。
そもそも「SIMカード」を知らなかった人は、「micro-SIM」という種類があることまで頭が回らずに、単に「SIMカードを買ってください」と言われたから買ってきたらサイズが合わなかった、ということがありそうです。
SIMカードにはサイズがあるのです。
どれくらいサイズの種類があるのかは、たとえば次のサイトに簡潔に写真付きで説明されています。
▼格安SIMのカードはいろいろなサイズがあると聞いたけど、どれを選べばいいの?
(OCN モバイル ONE | NTTコミュニケーションズ)
上のサイトでは、「SIMカードのサイズは、大きい順に標準SIM(miniSIM)、microSIM、nanoSIMの3種類があります。」とあります。
このサイズのことはけっこう重要なので、家庭で買ってもらうなら、かなり強調してお知らせしておいたほうがいいかもしれません。
SIMカードのことだけでもネット上の情報はとんでもなく多いです。
「micro-SIMを買ってください」と言われたとしても、さて何を買ったものやら?
一応、僕の場合は、自分の携帯がドコモなので、ドコモが安心だろうという適当な根拠のもとに、ドコモのプリペイドSIMカードを購入しました。海外からの旅行者が日本で買い求めるケースも多いみたいです。
↓僕が買ったのは、コレです。容量多め、使用期間長めのものを買いました。
「プリペイドsim 日本 30GB 180日間 docomo 無制限 マルチカットsim MicroSIM NanoSIM ドコモ 携帯 携帯電話」
(リンク先現在価格7480円)
上の商品名の情報を見ただけでも、かなり情報が多いですよね。
で、わりと高い!(もちろんこれより安いのも、あります。。。)
重要なのは「30GB」といった「容量」の数字、そして「180日間」という「使用期間」でしょうか。
始めて使うのに、「どれだけの容量が必要なのか」は本当に迷いますね。
そんなに頻繁に使わないのであれば、もっと容量が少なく、使用期間も短いもので充分でしょう。
期限が切れる前に延長手続きをとると、かなり安く延長することもできました。
(同梱の説明書に「利用データ量確認方法」というのが載っていて、それを確認する専用サイトから延長手続きができました。キャンペーン中だったからかもしれませんが、90日の延長が1000円と安めでした。)
「無制限」というのは「容量を使い切っても低速で通信できる」という意味で、これもあったほうが安心でしょうか。
「マルチカットsim」というのは、簡単に言うとマルチサイズということです。
パネルから取り外すときに大きく取り外せば大きなサイズになり、小さく取り外せば小さいサイズになります。↓
SIMカードをモバイルWi-Fiルーターの中にセットすれば通信ができるかというと、使用開始にあたって「開通」作業をする必要があります。
この「開通」作業も、いつまでにしないといけないという期限があります。
SIMカードを買ったまま放置していると、いつの間にか使えなくなっているかもしれません!!
(商品リンク先の現在の情報で言うと、
「アクティベート期限2021年2月28日
アクティベート後180日利用可能」と書いてあるのが、そうです。
アクティベートは、「開通」という意味。
このSIMカード自体が電話みたいなもので、電話の開通手続きをとるのと同じような手続きを必要とするのです。)
ちなみにこういったSIMカードはデータ通信専用なので、スマホには使えません。
試してないけど、たぶん・・・。
逆に、スマホで使っているSIMカードは、ルーターに入れれば通信に使える、と思います。
それをするなら単にスマホの「テザリング」でやればいい気はしますが。
ここまで使ってみた感想としては、充電が切れるのが割と早いかな、と思いました。
充電するのにコンセントからする必要があります。
充電後は単体で機能しますが、電源を切り忘れていたからかもしれませんが、次に使う時に充電がなくなっていて起動しないことが多くありました。
ちなみに、今回のルーターのボタンは1つしかありません。
起動と終了はボタンの長押しでした。
←真ん中の下にあるのが唯一のボタン
起動後はボタンを押すと画面表示がそのたびに切り替わります。
2ページ目にあたる画面表示で、そのルーターに接続するためのSSIDとパスワードが表示されます。
パスワードを入れたらこのルーターにつながって通信ができるはずなのですが、
これがうまくいかないと「なんでだ~~」と原因追及に時間を費やすことになります。
こういうのに詳しくない人だと、つながらないときに原因を探るにしてもわからないことだらけで、本当に困ってしまうのではないかと思います。
そういうご家庭へのサポートはどうしたらいいんだろう・・・。
今回は自分がやってみた体験を主にお知らせしましたが、ルーターもSIMカードもいろいろありすぎて、トラブル対応が本当に難しいように思いました。
ヘルプデスクを設置している自治体もあるようですが、ヘルプデスクではどんな対応を心掛けているのか、教えてもらいたいです。。。