わたしを離さないでを何となく観ている
「日の名残り」のカズオ・イシグロ原作「わたしを離さないで」日本のドラマはコメディしか観ない主義だったのですが、二話目から追いついて何となく観始めて見続けています。キャリー・ムリガンとキーラ・ナイトレイが出ていた映画の邦画ドラマ化だったのでついつい。と言っても当時原作本自体も読んでいないし映画もDVDも観ていないので全くの初見です。何となく観ているのでいろいろ的外れなこと言いますよ。観てない人にも分かるようには書いてないのでなおさら読みにくいですよ。さて、主人公は恭子(綾瀬はるか)ですけれど、美和(水川あさみ)に肩入れして観ています。美和はドラマでは主人公サイドから見ると何とも我儘な「モンスター」ですが、美和から見たらまったく違ったドラマがそこには展開されているようです。我儘ばっかり言っているようですがこの美和さん、単に自分の気持ちが分かっていないままその場の感情で行動する人の典型ですよね。この自分が分かってない状態で世界を観ていたら確かにこう動きますね。誰かの好きな人だから友彦が良く見える→欲しい→好きと信じちゃう。友彦は自分ではなく恭子を見ている→悔しい→ますます友彦のことを好きなんだと信じちゃう。自分から離れていかない恭子のことを結局頼るしかない→恭子のことも好きなんだと思っちゃう。無意識的に自分の無力さ浅さを自覚している→他人の話に「違う」と言えない→結果嘘をついて相手を振り回す。人のことは操作しようとしているけれど自分自身のことは将来のことも自身の心の内側のこともさっぱりわかっていない、可哀い人です。そんな自分の生命の全貌が見えない中でもがいている様は恭子よりずっと共感できるのです。もしこれを若いころに観ていたら恭子の方に共感を感じていたかもしれませんが。わたし自身、自分が若かったころの可笑しくも滑稽な様子はむしろ美和に近いような気がして観ていて可哀そうにさえなりました。本筋とは違うところにこだわってしまってますかね。原作も読んでみようかな~。