テーマ:読書(8199)
カテゴリ:おっ! なかなかためになる本
著者は医学博士の ジェイソン・ファン氏。 この人の本はほんとうに説得力があります。 “ダイエット” “食事” “糖尿病” に関してはこの方の本2冊だけでいいのではないでしょうか? 怪しげな情報をシャットアウトできます(笑)。 いつものように備忘録。 「たんぱく質」については、摂りすぎてはいけないが適度に摂るべきだ。肉などの食事に含まれるたんぱく質は、消化されるとアミノ酸に分解される。適度のたんぱく質は健康に欠かせないが、過剰なアミノ酸は体内に蓄積できないので、肝臓がそれをグルコースに変えてしまう。つまり、たんぱく質を摂りすぎると体に糖が増えることになる。だから、プロテイン飲料、プロテイン・バー、プロテイン・パウダーなど、高度に加工されて濃度が高くなったものは避けたほうがいい。 体の中の糖を燃焼させる最もシンプルで確実な方法は「ファスティング」だ エネルギー摂取(カロリー摂取)とエネルギー消費(カロリー消費)と脂肪の蓄積は、それぞれ独立した変数であり、意識的にコントロールすることができる・・・。「私たちの体を正常な状態に保つために使われるカロリーは、つねに一定で変わらない」という仮説。 中略 これは誤りである。 中略 じつは、体の基礎代謝率ー心臓の拍動、肺の呼吸、腎臓や肝臓の解毒作用、脳による思考、体熱の発生などに必要なエネルギーーを40%も上げたり下げたりして調節することができる。摂取カロリーを減らしても、体が消費を抑えようとして活動が鈍くなるだけで、体重が減るわけではない。 私たちは何をいつ食べるかを自分で決めることはできても、空腹を感じるとこをやめることはできない。いつカロリーを燃やして体熱を発生させ、いつカロリーを脂肪として蓄積するかを自分で決めることはできない。 ホルモンが空腹感をコントロールしている。 中略 そして、何にエネルギーを使うかもホルモンによってコントロールされている。 脂肪の蓄積や体重の増加をコントロールするうえで最も重要な要因は、何を食べるかによって変わるホルモン信号をコントロールすることだ。カロリー数ではない 余ったアミノ酸はそのまま肝臓で蓄えることはできなのでグルコース(ブドウ糖)に変えられる 糖新生 ファスティング時間が長くなると、肝臓は蓄えられている体脂肪から新しくグルコースを生成するようになる 食べている時間(インスリンが多い時間)と食べてない時間(インスリンが少ない時間)のバランスがとれているかぎり、体脂肪の量が増えることはない。 インスリンの量が増えると体重が増える、インスリンの量が減ると体重が減る。 中略 肥満になるのはホルモンのバランスが悪いからで、カロリーのバランスが悪いからであはない。 ホルモンというのは、いつも多量に分泌されているわけではない。概日リズムに合わせて特定のホルモンが時折、短時間だけ分泌されることで、最大の効果が得られるようにできている。 ホルモンにさらされることで、そのホルモンに対する抵抗性ができる。抵抗性ができたことで、さらに多くのホルモンの分泌が促される。 食事に含まれる過剰な炭水化物とたんぱく質は、グリコーゲンとなって真っ先に肝臓に蓄積される。肝臓がグリコーゲンでいっぱいになってしまうと、脂肪新生の働きによって余ったグリコーゲン(糖)は脂肪に変えられる。その脂肪は肝臓から体のほかの部位に送りだされ、たとえば腹部の臓器内やその周りにたまったりする。 燃やせるのは、糖か脂肪、どちらかだけ 中略 糖も脂肪も燃やすことはできるが、両方同時には燃やせない。 インスリン値が低い時間が長くなると、蓄積された脂肪は次第になくなっていく 「毒かどうかは量しだい」スイスの医学者パラケルスス 中略 つまり「体にいいとされるものでも摂りすぎると体に悪い」 安く作ることができる「果糖ブドウ糖液糖」 フルクトースは誘導ミサイルのように、肝臓だけを目がけて運ばれていく 中略 フルクトースを摂りすぎると、脂肪を作り出す働きが5倍に増える 中略 血糖値もインスリン値も上げることなく、肝臓を破壊する 中略 フルクトースは満腹感を与えることがないので食べる量を制限することができず、新し脂肪を過剰に作りだす動きに歯止めをかけるものがない グルコースとフルクトースがおよそ半分ずつ入っているスクロース(砂糖)や果糖ブドウ糖液糖は、肥満と2型糖尿病を引き起こす原因がふたつあるとことになる。精製された炭水化物であるグルコースはカロリーを補充するだけでなく、インスリン生成をうながすので、多量に摂取すると脂肪肝になる。一方、フルクトースを多量に摂取すると、血糖値やインスリン値は目に見えるほど上りはしないが、すぐに脂肪肝になりインスリン抵抗性が発現する。 インスリン抵抗性があると、インスリン値はつねに高い状態となり、体に「脂肪を蓄えろ」という信号を送り続けることになる 私たちが問題だと考えている症状のすべてー肥満、インスリン抵抗性、脾臓のβ細胞の機能不全ーは、じつは、たったひとつの根本問題である「過剰な糖」に対して体が行っている対処法なのである 2型糖尿病の場合血中にインスリンが多いのだから、インスリンを補うのはおおいに問題である。アルコール依存症の人たちにもっとアルコールを飲ませるようなもの。 インスリンは糖を取り除くものではなく、体のほかの臓器に運ぶだけだ。そして、インスリンを多量に投与すれば、インスリン抵抗性が増すだけだ。高血糖の症状がよくなったとしても、2型糖尿病はさらに悪化している。 がん細胞は代謝が非常に活発で、増殖するのに多量のグルコースを必要とする 2010年には、早期の診断と治療を可能にするという名目で、2型糖尿病の定義が広げられた。これを推し進めた14人の外部専門家のうち9人が、糖尿病の治療薬を製造する大手製薬会社で何らかの地位にある人で、莫大な利益の恩恵にあずかる立場であった 2型糖尿病の場合、精製された炭水化物と砂糖が、私たちの体をグルコースとフルクトースでいっぱいにしていく。排水口を広げたところで効果はわずかだ。明らかな解決策は蛇口を閉めること。 2型糖尿病は慢性的な進行性の疾患 治療法が間違っているから治らない 極端に摂取カロリーを減らしてから24時間経つと、体は肝臓にためておいたグリコーゲンをグルコースに変えてエネルギーとして使いはじめる。グルコースが底をつくと、体脂肪を燃やしてエネルギーを産生しなくてはならない。体は肝臓やほかの臓器についている脂肪から優先的に使う。なぜなら、脂肪細胞にためこまれた脂肪よりも使いやすいからだ。 低炭水化物療法~薬を飲むよりはるかにいい もし家じゅうが水浸しになったなら・・・。何年もの間、来る日も来る日も、バケツやモップやタオルを買いつづけようとは思わないだろう。新型のバケツを開発しようが、もっと上等なモップを作ってやろうが、速く排水できるようなシステムを開発しようとも思わないだろう。どこから水が出ているのかを突き止め、蛇口を閉めるだけのことだ!ーヴァーナー・ウィーロック博士 2型糖尿病の解決策 1.糖を摂らない(低炭水化物ダイエットと間欠的ファスティング) 2.余った糖を燃やす(間欠的ファスティング) 脂質は体内で脂肪酸に分解されるが、その代謝活動にインスリンは必要としない。たんぱく質はアミノ酸に分解されるが、肝臓で代謝されるときに多少インスリンが必要となる。 伝統的な食事をしていた人たちが、高度に加工された食品や砂糖を摂るようになると、肥満や2型糖尿病がすぐに現れる 「毎日300kcal減×7日」と「週に1日2100kcal減」はまったく違う 中略 どちらを実践するかで、体の中のホルモン反応がまるで違ってくる。その違いこそが、減量の成否を分けるものなのだ。 ダイエットの専門家は、1日に4~6回に分けて少しづつ食べるといいと患者にアドバイスすることも多い。 中略 だが、いったいなぜその方法ではやせられないのだろう。カロリーを制限することによる代償作用として飢餓感が増し、体の代謝率が下がるからだ。 間接的ファスティングは、つねにカロリー削減をすることでは得られなかったホルモンの変化を促すことができるので、減量に成功する 「ファスティングは筋肉を燃やしてしまう」というのは、たんなる神話 カロリーを30%削減すると、被験者の基礎代謝もおよそ30%減少した。 中略 基礎代謝を落とさずに減量するにはどうしたらいいのだろう。何も食べない時間を長くとればいいのだ。 1日おきのファスティングを22日間続けても、基礎代謝は減らなかった 中略 1日おきのファスティングには、リバウンドのリスクはない サバイバルのメカニズム 石器時代に洞窟に暮らしているところを想像してみよう。冬になると食べ物が少なくなる。このとき、もし体が飢餓状態になれば、外へ食べ物を探しにいくだけのエネルギーもなくなってしまう。 中略 食べられる時間が長く続くたびに身体活動を低下させていたら、人間はとっくに絶滅していたことだろう。 中略 ファスティング(つまり食べられない間)、人間の体は豊富に蓄えてある食物ー体脂肪ーを利用する、基礎代謝を高いまま維持し、口にする食べ物ではなく体脂肪として体に蓄えてあった食べ物を、燃料として使うのである。そもそも、体脂肪を蓄えるのはそのためだ。 ファスティングとは、つねに何かを食べていては起こりえないホルモンの変化をもたらすものであり、それは、毎食カロリーを削減するだけでは起こりえない変化であるということだ。さらに、その効果を高めるのは、ファスティングを「間欠的」に行うという点だ。 う~ん、ためになりました。 同じくジェイソン・ファンさんの「トロント最高の医師が教える 世界最新の太らないカラダ」も併せてそうぞ。 それでは・・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jan 10, 2021 10:00:08 PM
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