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カテゴリ:Barにて
読者の皆様にはご存知と拝察するが、私のテリトリーは現在のところ「天神・大名界隈」である。
何のことはなく勤務先から近いというだけのことなのだが、たまにはちょっと足を伸ばしてみたくもある。 といっても中州は歩くとやはり遠い感じがする。遠いといっても都内の感覚からすると渋谷駅から青山学院大学まで、または新橋から銀座まで歩くような程度なので普通に考えれば全然遠くはないのだが、大名近辺で飲んでいるとわざわざ中洲まで行くことはないので心理的に遠い感じがするに過ぎないのだが。 そんなわけでここ3ヶ月の間に1度も中洲のBarにお邪魔したことがない。 そろそろ意を決して行ってみよう(というほどのものではないが)いう気になって大名と中洲の中間地点まで行ってみた。ただ単に行って「おお、ここが中間だ」と確認したいからというわけで行ったのではもちろんない(当たり前)。その地点にお目当てのBarがあるからに他ならない。 そのBarは、 Bar Dram(福岡市中央区春吉3-21-28 7F) マスターのTさんはいかにもいい感じのチョイ悪オヤジそのままのリアル版。LENONにでてきそうな粋を感じさせる好感の持てる方。私の1つ先輩。 さすがこだわっていますねぇ。ボトルの数はそう多くはないものの、わかる人が見ればその価値だけで引き込まれそうなボトルを多く置いてある。さらに、ボトルもさることながら下に置かれているグラスがまたいい。いい酒器というものはお酒を数倍おいしく引き立てると思うけど、「おおおっ」と思ってしまうものがきれいに並べてある。照明は多少暗いものの、7階なのでそこから見える中洲・西中洲のネオンが外からの間接照明となっていてそう暗くは感じさせない。 マスターは「お客さんのほとんどがカッコイイ飲み方ができる親父さんがほとんどですね。中洲に近いからといって仕事帰りのオネエサン方が遅い時間にいらしてくれませんね。なにせ飾り気のない店ですから」といっていたが、そういう店だからわかる人がわかる人を紹介していくのだろう。マスターの人柄もそうだがお客様のそうした姿勢によっても凛とした筋の通ったお店になっていったのだろうと思う。 ここでは、 Samaroli Clynelish 1992-2005 45% cask6298 香りは軽く切ない。レーズンと青リンゴの爽やかさ。ピーティーサとスモーキーを取った白州というイメージ。飲むと打って変わる。オイリーにしてコッテリ感はさすがにサマローリ。このこくがいい。あとからどっしっと来るところに存在感を感じる。 Golden Cask MACDAFF 54.97%1981-2005 cask628 結構強く香る。ベースはモルティ。アルコールっぽさよりも品のよさを前面にだし散る印象。包み込んだメロンクリームシュー。飲んでクリーミー、重いかなり重い。いいおもさだ。切れ上がりがドライ。ココアが残る。こいうスミッコボトルが飲めるのがボトラーズのいいところ。 Whisky Magazine Editer’sChoice CAOL ILA 1974-2002 54.3% cask12622 過去にも先もマイケル・ジャクソンがプロデュースしたのはこれ一本。 いやー格が違う。断じてカリラとは思えない。いやーもういいです。頭が自然に下がります。コメントするだけ野暮。なに言っても現せないね、これは。マスターが言うにはいろいろなMalt、アイラものにしろ、すぺいサイドにしろ、地域はどこでも70年代では1974ものが最高にいいとおっしゃっていた。60年代はと訊けば、「65年かなぁ」とのこと。 ここで帰り間際にサプライズ! なんとマスター秘蔵の、「シェリー」を飲ませていただいた。「Maltの後の〆はこれですよ、サービス!」といって出してくださった。 これがなんとも絶妙。銘柄は忘れてしまったが、甘み・渋み・苦味・酸味すべてにバランスがとれ、今まで飲んだことのあるシェリーがいったいなんだったんだろうとまで思わせてしまう逸品。マスターはMaltのみならずシェリーにも相当こだわっているらしい。 今度伺ったときは〆のいっぱいにきちんと頼んでみよう。楽しみがまた増えましたねぇ。 いやーいい夜です。満足至極。(ちなみにお代は驚くほど安くまたまたびっくり) JINさん、JINさんのこと、マスターしっかり覚えていてくれましたよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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