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カテゴリ:【小説】鴉組
江戸無宿人街トンチキコンビは腹が減っていた。
「十太夫先生。ここも人がいやせんぜ」 「そうだなあ。ここはもう白河口から会津か仙台かにわかれるところだからね。戦乱を避けたんだろう」 小柄な十太夫先生は良いが、ヒデ公は腹が減って困りに困った。 盗もうにも田にも畑にも何もないし、宿場に入っても人が居ない。 「逃げたにしてもどこに逃げたんでえ」 ヒデ公が不機嫌に言った。 「確かに腹が減ったな」 「減りましたよね」 ヒデ公は十太夫先生の弱音、その言葉を待ってましたとばかりに家々や店に顔を入れた。 この時代の軒ではヒデ公は屈むことになる。屈んでとある軒に顔を入れたとたん、 「いってーー」 ごっちーんとされて、ヒデ公、ひっくり返った。 「何しやがんでえ」 ヒデ公がひっくり返るのも珍しいが、出てきたおばばにもびっくりした。 「こうの、芋狐。うちにはもう何もねえよ。このおばばでも喰ろう気か」 そう言うが見事な連撃でヒデ公を撃ち据えていた、箒で。 それがまた更に見事に箒の先をヒデ公の目にバチバチとぶつけている。 「お見事、ご老体」 十太夫先生、暢気に笑って言った。 その頓狂な声に、おばばの手も止まった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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