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カテゴリ:【小説】鴉組
「退却もまともにできねえのかい」
昼間の鴉は大変だった。 鴉組も最後は数に追い詰められ、伊達藩本隊近くに結局追いつく形になっていた。 そうした中で退却戦をしなければならなくなったのである。 退却戦は一般的に殿が居てあとは一目散に逃げるのが相場だが、ここは地の利を活かし引き付けては敵の先頭を討ち、再度引き付けては敵の先頭を討つ作戦を鴉組はとっていた。 最初は相手がギザギザに出てくるところをこちらが固まって撃つという戦法だったはずだが、鴉組以外逃げる方がギザギザになってしまい、次々に倒されていく。 「だったら転戦しろ」 十太夫は背中を斬られて死ぬなら反転して攻めろと言っているのだが、その声は鴉組の連中にしか届かなかった。 鴉組と十六ささげはまとまっていたので他の隊より攻撃対象にされなかったが、それでも段々に被害が出ていた。 「猟師・漁師連は逃げろ逃げろ」 十太夫の必死の声だった。 博徒どもは長ドスを使えるが、熊吉たちは接近戦になれば弱かった。 「熊、熊。早く逃げろ」 和三郎が叫んだ。 不意に・・・ 山歩き慣れしている健脚の熊吉が立ち止まった。 「め、めんどくせ」 そう言うとしゃがみ込み、鉄砲に弾を込め始めた。 すると、数人の猟師たちも熊吉にならってしゃがんで弾を込め始めた。 「ね、狙えー」 熊吉の太く、そして暢気な声が戦場に響いた。 「うでーー」 バン、ババババン。 十太夫や善兵衛、和三郎、そして十六ささげの連中ら殿を勤める形になった者どもの周りの敵が倒された。 「た、弾、こめーー」 また熊吉の声が響いた。 「うでーーー」 バン、ババババン。 漁師連は新式銃の威力も借りて、見事に十太夫たちを縫って敵だけを倒した。 人気ブログランキングへ くる天 人気ブログランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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