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カテゴリ:【小説】鴉組
「夜明け前の一番夜が濃い時間ってあるよなあ」
十太夫先生がしんみり言った。 「おはん、誰でごはすか」 西軍の中でもヒデ公ほどの巨漢は少なかった。 「もぅはんどぅれでおわうあ?」 ヒデ公は真似をしたつもりらしい。 「怪しい奴」 見張りが銃を向けてきた。 ヒデ公は十太夫先生に慣れていると言われたわりに銃の扱いも何もあったものではなかった。 銃把でそう問いかけた男をひっぱたいただけだった。 十太夫先生も新陰流だった。 そうして西軍兵が寝ているところに火をつけた。 「火事だぞ」 十太夫先生の江戸弁は通じなかった。が、メラメラという音と明かりには酔った西軍の兵士たちにも事が分かった。 西軍の兵士たちは立ち上がったが、その立ち上がり様に十太夫先生に斬られ、ヒデ公に殴られた。 女たちも居た。 「女は東の間道から逃げろ(これは東北弁)」 ヒデ公は何度も何度も大声で叫んだ。 女たちは着の身着のままで外へ出た。 言葉が通じなく動揺していた西軍兵たちも女たちに続いた。 しかし、女たちの最後尾に剣先を挙げた十太夫先生と銃口を向けているヒデ公が火明かりに映った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/12/06 09:59:43 PM
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