俳句2022
光ごと掬う目高の子ら透けて(第33回伊藤園新俳句大賞佳作特別賞)風信子ことしも吾子の心電図(第33回伊藤園新俳句大賞予選通過)落椿どこかに罠のあるような(第33回伊藤園新俳句大賞予選通過)いわし雲満ちる水笛吹くほどにテトリスめく街を炎天の観覧車(俳句生活 人選)緑陰をはみ出す牙として画板鉱石を割つてつめたき夏夜かな(青嵐俳談 入選)月光へ句碑はドアめく重信忌(青嵐俳談 入選)薔薇に水やって朝の血まだ綺麗月の射す夫の寝床を踏みにけり雨音は幻聴である寝待月朧夜の祖母のかなしき寝言かな魚は氷に陽は寝がへりのちさき背に布団ときどき宇宙と繋がつてゐる明星をとらへ水番渇ききる(青嵐俳談 入選) タツノオトシゴ触る星座をなぞるよに(青嵐俳談 地) 夕風へ放る米粒ほどの歯よ 花びらに夜明けのありて花菖蒲 日時計の影うっすらと夏の月 日時計の影は少女の影穿つみづうみへ触れさう雨後の落し角(青嵐俳談 天) 鳥曇すりがらすみなかなしさう はなかげや冥王星の海揺るる(青嵐俳談 入選) 昭和の日窓平等に汚れをり 来年もまたとは言えぬ花見かな 花びらの輪郭淡し花ぐもり 盲目の神の創りしさへづりか(青嵐俳談 天)