カテゴリ:音楽
週末は天気が悪いかと思っていたが、ムシムシするばかりで雨は降ってこない。暑い一日だった。所用で自転車を使って、一回りしてくると汗だくである。エアコンは嫌いなので、レッスン室もまだほとんど使っていない。壁に取り付けた扇風機でしのいでいる。楽譜が風でめくれず、しかも体は涼しいという角度に、昨年夫にとりつけてもらった。具合がいい。
さて、暗譜について。ちいさな子どもの場合は、「覚えてね」とお手本を示すだけで、すらすらと弾けてしまったりする。耳で覚えるのか、目で覚えるのか、手が覚えるのか…。しかし、だんだん大人になるとそれが難しくなる。曲が長くなるから…というだけではなく、やはり、脳みその使い方、使われ方が変わってくるのだろうか。 大人の生徒さんで、一人は「見ながら弾くことの方が難しい」と、覚えつつ練習され、曲の完成時にはほぼ暗譜完了。50代になって始めた方だが、今では結構複雑なジャズの和音も暗譜で間違わずに弾けるようになってきた。素早い動きは難しいけれど、よくここまで覚えているなあとしばしば感心する。 対照的なのがもう一人の大人の方。子どもの頃からピアノを弾き、音楽短大を卒業してそろそろ10年くらいか。暗譜が苦手。とくに今はバッハのフランス組曲に苦労している。同じ曲から抜け出せない。緊張するのか、弾き初めの1小節目ですでに左手がアヤシイ。…そう、いつも怪しくなるのは左手部分。 じゃあ、どうやって練習すればいいのか。その声部だけ弾いてとか、弾きながら歌って…とか、いろいろアドバイスはするけれど、かなり苦戦している。楽譜があれば弾けている休符の位置やフレージングなども、めちゃくちゃになってしまう。本人も「こんなはずでは~」といううろたえぶりで気の毒になる。 そうなると、「暗譜はほんとに、そうまでして必要なのか?」とちょっと疑問にもなってくる。「見てちゃんと表現できるなら、いいじゃない…」と心の声も。 ピアニスト川上昌裕氏のHPなどでも、暗譜演奏は絶対必要なのか?という意見が書かれている。確かに演奏家となると、もうそれは「必ず暗譜」が義務づけられている。かなり苛酷な職業だと頷いてしまう。川上氏はカプースチンの演奏で有名だが、「暗譜しなくていいなら負担は5分の1くらいに感じる」とおっしゃっていた。 管楽器や弦楽器は、結構楽譜を見て弾く人もいる。単旋律で覚えやすそうなのに、ずるいなーと思ったりもする。アンサンブルの場合も、ほぼ必ず楽譜を見て弾く。ピアノは一人で左右の手がアンサンブルしてる(?)のに、なんで100%暗譜を要求されるのか~?(川上氏も言っているが、リストのせい?(;^^)) でもわたしの子どもの頃も「バッハだけは必ず暗譜」が義務(?)づけられていた。高校生くらいまでは、なんの苦労もなく、10頁ある曲だろうが、さらさら~っと頭に入ってたんだけど。今は昔…。1ページの伴奏すら覚えられない(;^^) わたしの場合は単に「気合い」が足りないだけかも…(-_-;) 先の大人の生徒さんにも、「長期戦でいいからとにかくがんばってこれだけは覚えて弾きましょう」と話したけれど、いやはや、あんまりつっかえつっかえなのを聞いていると、わたしのほうがめげそうになる。がんばれ~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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